過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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178: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/28(水) 20:00:12.71 ID:HiFRyoCx0

いつの間にか公開プロポーズの場となってしまった宴は、規模こそささやかなれど飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎとなった。
青年は終始笑い続け、男は途中から泣きっぱなし。
漁師の男たちも元が陽気な連中の集まりということだけあって、
王宮や城下町で行われる華やかな宴よりも性に合うのだと言って楽しそうに村人たちと交流していた。
少年と少女も村を救った英雄として、魔王討伐の時よりも熱烈に歓迎されたのだった。



アルス「…もう ここも 大丈夫みたいだね。」

マリベル「そうね。本来あるべき 形に ようやく 戻ったって感じかしらね。」



そして今、夜も更けひとしきり宴が静まった頃、少年と少女は宿屋の中で静かに杯を揺らしていた。

程よい甘さで昂った心を落ち着けてくれる蜂蜜酒はまさに琥珀を溶かしたかのような美しい輝きを放っていた。
蝋燭の揺らめく灯りにひとたび傾ければ、めでたい宴の最後を名残惜し気に飾るような甘美な香りが鼻をくすぐった。

マリベル「ふふ。おいしい……。」

アルス「こっちで 飲まれているやつよりも 花の香りがすごいね。」

マリベル「あら アルスにも そういうの わかるの?」

アルス「んー…最近 なんとなく ね。」

マリベル「ふーん。そっか。」

一見他愛のない会話を二人はこれでもかと楽しんでいた。
緊張感を常に漂わせながら皆で旅した頃とはまた違う、ゆったりとした時間。
一つ一つの相槌すら心の底から愛おしむ時間にひたすら二人は耽溺していた。

こんな“どうでもいいこと”で何時間でも、何日でも楽しく過ごせるような気すらしていたのだ。




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