過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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180: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/28(水) 20:02:31.06 ID:HiFRyoCx0

気付けば少年の視界は暗闇に支配されていた。



マリベル「ばかね……。」

否、少女の胸に抱きかかえられていたのだ。

マリベル「いっつも いっつも そうやって 一人でくよくよ 悩んじゃってさ。」
マリベル「ほんとに あんたは いっつも 一人でしょい込みすぎなのよ。」
マリベル「なんの ために あたしが あんたのそばに ついてるんだか。まったく… こっちが 自信なくしちゃうわ。」

少年の頭に回していた腕の力を少しだけ緩め、少女は少年の目を見つめる。

マリベル「ずるいわよ。あんた ばっかり。」
マリベル「アルスの悩み あたしにも 教えてよ。あんたの 背負ってるもの あたしにも 背負わせてよ。」
マリベル「…あたしは あんたの なんなのよ……?」

アルス「マリベル…。マリベルは その……。」

マリベル「なあに?」

アルス「ぼくの… いちばん大切な人。」
アルス「きみが いたから どんなことだって 頑張れたし これからも ずっと 一緒に いて欲しい。」
アルス「どんな時でも 君が笑ってくれるなら ぼくは なんでもできる。」
アルス「だからこそ 君を失うわけには いかない。…命を投げ捨てても 守り通すよ。」

マリベル「……ダメよ それじゃ。」
マリベル「死ぬときは 一緒だって 決まってんだから。それにね……。」

少女は再び少年の頭を抱きしめる。

マリベル「あたしは どんなことがあっても あんたの前から 突然 消えたりしないわ。」
マリベル「……あたしを 誰だと 思っているのよ。うふふっ。」
マリベル「世界一の 天才美少女 マリベルさまよ? あんたを残して そう簡単に 死んだりしないんだからね。」 

アルス「マリベ る…。」

マリベル「さあっ! 今だけは あたしの胸を貸してあげるから。」
マリベル「……悲しい気持ち 悔しい気持ち ぜーんぶ 出しちゃいなさい。」

アルス「うっ……くっ……。」

マリベル「…ほーら よしよし。思いっきり泣きなさいな。」

そういって優しく少年の頭を撫でる少女の目からは月の滴が一粒だけ零れだし、琥珀と紅の輝きを写して静かに流れ落ちていく。



喉の奥に残った蜂蜜酒の甘さが、どこか切なく、しょっぱく感じた。





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