過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2016/12/31(土) 15:27:19.97 ID:OqFe7abd0
アルス「使命……か。」
マリベル「ん?」
少年が唐突に少女の言葉を反芻するように呟く。
アルス「ぼくたちの旅も ひょっとして 誰かに与えられた 使命だったのかなってね。」
マリベル「…………………。」
アルス「初めて 神殿に潜り込んだ時も 大陸が復活した時も 腕の痣が光った時も。」
アルス「いろんな人たちに 想いを託されて ぼくたちは 魔王を討ち取った。」
アルス「あの 神さまは 特に言ってなかったけど 水の精霊から 話を聞いた時は
ああ やっぱり これは偶然なんかじゃなかったんだってね。そう 思ったよ。」
マリベル「アルス……。」
アルス「魔王を倒す っていう使命が終わって ぼくたちはこれから 本当に 好きなように 生きていけるんだろうか。」
アルス「もし そうじゃないとしたら ちょっと やだなあ ってね。」
マリベル「これから……か。」
マリベル「確かに あんたの言うとおり あの旅は 偶然だけじゃない 大きな力が働いていたのかもしれない。」
マリベル「でも やることなすこと 決めてきたのは あたしで。あなたよ。違くって?」
アルス「……うん。」
マリベル「別に いいわよ。使命だろうと 運命だろうと。結果的には 悪くなかったと思ってるし いまだって満足よ。」
マリベル「どんな サダメがあっても あたしは あたしの好きなように生きるわ。」
マリベル「ふふん。どうよ。」
アルス「……かなわないなあ マリベルには。」
マリベル「なーに言ってんのよ! あんたが それじゃ あたしの計画はおじゃんだわよ。」
マリベル「もっと 堂々としてなさいってば。じゃなきゃ 人生損するわよ!」
アルス「あははは…。……ふんっ!」
少年は目いっぱい息を吸い込み、胸を膨らませて仁王立ちをする。
マリベル「あっははは! そうそう その調子よ。」
マリベル「あ……。」
少女が西の空に目をやると再び不思議な光が天へと昇り、美しい光の軌跡を残しながらやがて消えていった。
マリベル「……。」
マリベル「素敵な使命だって きっと あるわよね。」
“クスっ”と笑って少女は誰にともなく呟く。
アルス「えっ?」
マリベル「ううん。なんでもないのっ。」
マリベル「さ! サボってないで さっさと掃除しなさい!」
きょとんとする少年の背中を掌で打ち、少女はそのまま船内へと降りて行ってしまった。
アルス「…………………。」
アルス「まいっか。掃除そうじ。」
少年は少女の去ったあとをしばらく見つめていたが、
やがて甲板掃除という“今の使命”を思い出すと素早い手つきで再びデッキをこすり始めるのだった。
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