過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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271: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/02(月) 13:07:04.00 ID:kyvdl/RT0

サイード「どうやら ここが 最深部らしいな。」

長いトンネルを抜けた後、梯子を昇ってたどり着いた先には巨大な空間が広がっていた。

天井からはやや眩しく感じるほどに光が差し込んでいる。

真っすぐ見つめるとそこには巨大な幹のような主根がさらに地下へと伸びていた。

過去に来た時ですら圧巻だった光景は途方もないほどに膨れ、まるで地下に巨大な塔が立っているような錯覚を少年達に与えていく。

スラッグ「ピキー!」

アルス「すごい……!」

マリベル「あの時ですら ありえないほど 大きかったのに こうなっちゃ もう わけがわからないわね。」

神木の妖精「でも…。」

そっと呟きながらエルフの娘は自分の立っている根に耳を当てる。

神木の妖精「苦しそう… ああ なんてこと……!」

サイード「よく見るんだ 二人とも。」

アルス「え?」

マリベル「どういう…な なによ あれっ!」

神木の妖精「あれは!?」

青年の視線の先にあったのは、自分たちのいる大きな根管のさらに下の方、まるで地底湖のように水が溜まっている場所だった。
水自体は上で見たような毒に侵されているわけでなく澄んでいるように見える。

しかし問題はその上にかかる謎のモヤだった。

モヤは水面だけではなくそこを通って伸びている根の周りを赤黒く染めており、その中に混じって何かがうごめいているのが見えた。

マリベル「どうしよう アルス!」

アルス「きっと あの もやの中の魔物が この異変の元凶だ! だからあいつをたたけば……!」

マリベル「でも どうやって あそこまで行くのよ!」

サイード「人体が触れて 平気な保証はないからな。」

アルス「……こうだ!」

[ アルスは トラマナを となえた! ]

少年が呪文を詠唱すると四人の周りを淡い光が包み込んだ。

アルス「行くよっ!」

そう言い残して少年はさっさと飛び降りていってしまった。

マリベル「ちょ ちょっとアルスっ!? もう 仕方ないわね! スラッグ! 妖精さんを頼むわよ!」

少女もそれに続いていく。

サイード「あんたは ここに 残れ。」

神木の妖精「いえ! わたしも 行きます!」

サイード「…戦えるのか?」

神木の妖精「わたしの 力が通用するかは わかりませんが わたしは このご神木と一心同体。」
神木の妖精「黙ってみているわけには いかないんです!」

サイード「…危なくなったら 逃げるんだぞ。」

神木の妖精「はい!」

力強い返事をすると、妖精は青年と共に水溜まりに向かって勢いよく飛び降りていった。

スラッグ「ピ ピキー…。」

そうして二人がいなくなった幹の上、残されたスライムの鳴き声が虚しく響いていたのだった。

スラッグ「…ピ……!」




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