過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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304: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/03(火) 12:26:23.64 ID:XE7nrcf00

*「砂漠が 見えてきたぞ!」

日も暮れ、地平線の彼方に半円が描かれた頃、漁船アミット号は次なる目的地のある大陸の近くまでたどり着いていた。

ボルカノ「よし 停泊の準備にかかるぞ!」

*「「「ウスッ!」」」

アルス「みなさん 砂漠の夜は冷えます! 厚着を用意してください!」

*「おうっ!」

*「そうなのか? あいよっ!」

少年の忠告に漁師たちは各々寒冷地用の厚着を着込み始める。

マリベル「サイード あんたは どうするの?」

サイード「む おれは旅に出て まだ 間もないからな。船で待つとするさ。」

マリベル「本当に? 本当にそれで いいの?」

サイード「いや おれにかまわんでくれ。船は おれが守っているから おまえたちは 早く用を済ませてくるといい。」

マリベル「…ったく わかったわよ! その代わり 三バカたちが 女王様に 言い寄ってても 知らないわよ?」

サイード「おれは 族長になることを捨てた男だ。族長でもないような 人間が どうして 女王さまとの仲を 気にする必要が あるんだ?」
サイード「きっと 兄上たちなら うまくやってくれるさ。」

マリベル「…あっそ。じゃあ もう何も言わないわ。」

そう言って少女は船首へと歩いていく。

マリベル「……あの いくじなし。」

アルス「えっ?」

マリベル「あ アルスに言ったんじゃないからね? …それとも 言ったほうが 良かったかしら。」

アルス「…………………。」

突然のことに気が障ったのか、少年は眉をひそめて黙り込んでしまう。

マリベル「ちょ ちょっと なんで黙っちゃうのよ!」
マリベル「ち 違うんだって……。」

アルス「……ふふっ。」

焦る少女の反応を楽しんだのか、少しだけ意地悪そうに少年が笑う。

マリベル「……もうっ!」
マリベル「このっ このっ!」

自分がからかわれたことに納得のいかない少女は少年のわき腹を小突いて抗議する。

アルス「あっははは! ごめんごめん!」

少年は噴き出して謝ると少女の頭を一撫でしてそそくさと自分の作業に戻っていく。

マリベル「……ふーんだ。」

口をすぼめてむくれたまま少女は階段を降り、自らの旅支度を整え始めるのだった。




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