過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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384: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/05(木) 19:51:50.86 ID:jh5nLVyG0

ボルカノ「それにしても あれは いったい何なんだ?」

アルス「幽霊船……。」

ボルカノ「なっ…!」

アルス「ハーメリアで 確かに ぼくは そう聞きました。」
アルス「そして この前の 不可解な霧と羅針盤の故障… その時も ぼくは あの船を見ました。」
アルス「……あれからは 途方もない 殺気が 漂ってきます。」
アルス「もし 追いつかれたら この船は ただじゃいられないでしょう。」

ボルカノ「しかし これ以上 船を進めると 進路がわからなくなるかもしれんぞ。」

アルス「父さんなら みんなの 命を優先させるはずです。それに ぼくには うみどりの目がある。大陸や 国の場所なら すぐにわかりますよ。」

ボルカノ「……信じていいんだな?」

アルス「ぼくを 誰だと思ってるんですか?」
アルス「エスタード一の漁師 ボルカノの一人息子 アルスですよ?」

ボルカノ「…………………。」
ボルカノ「頼んだぞ! 息子よ!」

アルス「…はい!」

言葉を交わし終えると少年は船尾まで走り、力を籠めて強烈な追い風を起こし始める。

アルス「まだだ!」

[ アルスは バギクロスを となえた! ]

自らの船の周りに複数の竜巻を起こし、辺りの霧を一気に吹き飛ばす。

*「ぬおっ!」

*「うわわわ!」

突如として吹き荒れる強風の嵐に漁師たちは身をかがめて堪える。
だが少年の巻き起こした風の影響で辺りの視界は少しだけ晴れ、追ってくる船の全容がなんとか一望できるようになった。

ボルカノ「なんて でかさだ……!」

*「マール・デ・ドラゴーンよりかは 小さいけどよ…… ありゃ 間違いなく戦艦だぜ!」

漁師たちはその大きさに肝を抜かし、みるみる顔を青くしていく。

アルス「みなさん これから ぼくは あの船を迎え撃ちます。」
アルス「万が一のことが ありますので 手の空いている人は 船室に 避難していてください!

そんな中少年は船員たちに再び指示を与え、自らの出陣を宣言する。

ボルカノ「マリベルちゃんは どうする。」

アルス「彼女には この船に残って ここを守ってもらいます。」

ボルカノ「…………………。」
ボルカノ「何か 伝えておくことは あるか?」



アルス「…………………。」
アルス「きみを信じると そう 伝えておいてください。」



父親の言葉に少年は一言、力強い目で言伝を預ける。

ボルカノ「…わかった。」

アルス「行ってきます!」

少年は袋の中から例の絨毯を取り出して広げると、あっという間にそれに乗って戦艦の方へと飛んで行ってしまった。

ボルカノ「頼んだぞ 息子よ!」

遠ざかる背に向かって父親が思い切り叫ぶ。

少年は振り返らず片腕を上げてそれに応えて見せた。



霧の中で一瞬だけ見えた空は、灰色の雲に覆われていた。




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