過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
1- 20
398: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/05(木) 20:28:21.82 ID:jh5nLVyG0

アルス「ここは……。」

少女と別れた少年は船の奥の奥、最後の扉を開けて中の様子をうかがう。

アルス「…………………。」

暗闇に目を凝らし辺りを探るとそこはかなり広い部屋のようだった。

中央に置かれた横長の机。端に備えられた巨大なベッド。横たわった大きな化粧台。床を転がる酒瓶に上等な絨毯。

どうやらここは高貴な身分の者が使っていた部屋のようだった。

*「…ふ……。」

アルス「…っ!」

*「ぐふふふ……。」

アルス「誰だ!」

*「まさか この船に乗り込んでくるどころか あれを 突破してくるとはな。」

アルス「おまえは……。」

暗闇の中、部屋の一番奥から聞こえる低く呻くような醜い声、赤黒く光る二つの点が、少しずつ少年の方へと近づいてくる。

*「おどろいたぞ ニンゲンよ。」

少年の持つ松明に照らされその全容が少しずつ明らかになっていく。

*「イきた ニンゲンと チョクセツあうのは ナンびゃくねんぶりだろうか。」

上にいた者たちと同じような骸骨の身体。それも人間の比ではないような強靭な骨格。
体にまとう横じまの服、血のこびりついた鋭い獲物。

アルス「おまえは… デッドセーラーか!」

唯一普通のそれと違う点を挙げるとすれば、
それは頭につけているのが船乗りによく見る赤いバンダナではなく
海賊の長のようなキャプテンハットであることだった。

*「でっどせ〜ら〜?」
*「ショセン そんなものは マオウや ニンゲンが カッテにつけたナよ。」

気にくわないとでも言いたげに船乗りの恰好をした魔物は少年に返す。

*「オレサマに ナマエなんてない。 あるのは コロしとリャクダツのヨクだけだ。」
*「グフフフ……! メイレイをむししてた おかげで マオウには くらいウミのソコに フウインされちまったがな。」
*「…どういうワケか しらんが フウインが とけた。」
*「グフフフ… グフ グフフ……。」

楽し気にドクロが嗤う。

アルス「上にいた人たちは 何なんだ!」

*「ぐふふ… やつらは オレサマが フウインされるマエに コロシテやった クニのニンゲンよ……。ナンニンかには ニゲラレちまったがな。」

アルス「やはりか……。」

少年の頭にあった仮説はあっさりと証明されてしまった。

アルス「どうして ぼくらを 付け狙う!」

*「トある カタに イライ されてナ……。」
*「…クック…… オマエたちも アイツラのナカマいりだ……。」

アルス「そんなことは させない……!」

少年は覚悟を決め自らの獲物を構える。

アルス「ハッ!」




*「ギャー!」




魔物とは不釣り合いな甲高い叫び声が上がった。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1492.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice