過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/01/06(金) 20:39:35.43 ID:QSmDR/W/0
サイード「よっ…と。」
砂漠の青年は少年をベッドに横たえると近くの椅子を引っ張り出して少女を座らせる。
マリベル「ありがと…。ふあ……。」
ほとんど無尽蔵の魔力を持つとはいえ、
不眠の上に上級呪文を唱え続けさしもの少女もかなりの疲労を覚え、目をこすり大きな欠伸をする。
*「お休みになりますか?」
炊事場に立っていた修道女が少女に語り掛ける。
マリベル「いいえ。アルスが 目覚めるのを 見るまでは 眠れないわ。」
*「そうですか……。」
修道女が心配そうに見つめる中、少女は気休め程度にと自分に目覚めの呪文をかけて気を取り直す。
サイード「便利なものだな。」
マリベル「まあね。使い方次第では どんな 呪文だって 化けるわよ。」
マリベル「でも やっぱり 万能じゃないの。」
サイード「完全に 失われた命は 戻らない……か。」
青年はつい先日別れたばかりの妖精やスライムのことを思い出していた。
マリベル「そ。それに さっきみたいな連中は 力に溺れてばっかりで 呪文の本質を 見極めようとなんて してないように 見えたわ。」
マリベル「呪文ってのは ただ 自己満足のために あるんじゃなくて 誰かのために 役に立って はじめて その真価を 発揮するってのにね。」
サイード「…………………。」
マリベル「でも… でも それでも 万能じゃないの。」
マリベル「大切な人を 眠りから 覚ましてあげることもできない。」
少女の独白は続く。
マリベル「いろんな 呪文を覚えて どんなことだって できる気に なってたけど……。」
マリベル「やっぱり駄目ね。あたしは 所詮 ただの 網元の娘なのよ。」
マリベル「メザレであんたに あれだけ 説教したっていうのに……。」
少年の手を握るその手は震えていた。
マリベル「あたしも おんなじよ。どこまで いっても 人は人でしかない。」
マリベル「神さまに なんか なれないのよ……。」
そう言って少女は静かに瞳を閉じる。
マリベル「…………………。」
祈りをささげるその姿は言葉にならない美しさと慈しみを湛えていた。
*「……っ!」
見れば見るほど不思議な神々しさすら覚え、修道女はいつの間にか胸の前で手を合わせている自分の姿に驚く。
サイード「…………………。」
青年もどこか不思議な心地がしていた。普段は絶対に見せることのない少女の姿は、
この世に天使というものがいるならこういう者のこと言うのだろうかとすら感じさせるものがあった。
そして。
*「お待たせしました。」
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