過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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512: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/08(日) 22:42:08.12 ID:W5dqu19v0



“漁船アミット号の朝は早い”



と、言いたいところだけど、漁をしながら長期間航海を続ける漁師たちに朝も何もないわ。

もっとも、今回の航海は特別なものだからいつもとは勝手が違うんだけど。

基本的に夜通しで船を走らせている間、交代で見張りと舵取りをしなきゃいけないから、

漁師たちは寝たり、寝なかったり、その日の予定で一日の動きが変わってくるわけよ。

あたしと言えば、今日は朝から三毛猫のトパーズに扉を叩かれてコック長たちが起こしに来る前に起きちゃったわ。

まったく、人の苦労も知らないでネコちゃんってのはいい気なもんよね。

隣で寝ているんだからあいつが止めてくれればいいのに、ホント気が利かないやつ。



仕方ないから起きて着替えて、あたしがいつも作ってる猫用のごはんをあげる。

流石に人と同じようなのを与えるわけにはいかないからね。

もっとずっと健康志向な献立で体調を保ってあげるの。あたしってばなんて優しい人なのかしら。



それが終わって二度寝しようと思ったら今度はコック長たちが来ちゃうんだもの。

せっかくの睡眠時間はあっさり朝ごはんの準備時間に早変わりよ。



今日の献立は芋のサラダとトマトのスープ、それから厚切りのベーコンとトースト。

朝だけどみんな本当によく食べるから作る量もかなりのものだわ。

芋の皮むき一つとってもその数は軽く二十弱。

面倒な作業だけど隣から起きてきた奴にテキトーに任せてあたしはひたすらベーコンを焼いたわ。

燻されたいい香りが寝不足ですっかりしぼんだお腹を少しずつ元に戻して、すっかりあたしもお腹ペコペコよ。



それから日が完全に昇りきる前にそれまで寝ていた漁師たちも少しずつ起きてきて、今日の朝ごはんが始まったわ。

やっぱり海の男たちね。あれだけ用意した料理がみるみるなくなっていくんだもの。作り甲斐があるってもんだわ。



食べ終わったら交代で来た漁師の人が皿を洗い、その横でコック長とあたしが鍋を洗う。

飯番といえばもうお昼ご飯の下ごしらえを始めようとしているわ。

それから自分の仕事を済ませたら、悪いんだけどあいつのハンモックで寝かせてもらうことにしたの。

流石に調理場はうるさいし、寝てたら気を使わせちゃうからね。

それにどうせあいつはしばらく表の見張りでいないし、昨日は遅くまで付き合ってあげたんだからこれぐらい良いわよね。



ハンモックに横になろうとしたらそこには先客がいたわ。三毛猫のトパーズよ。

まったくこの子ったらあたしの睡眠の邪魔をするのが生きがいなのかしらっていうくらいね。

仕方ないから渋るトパーズを無理やり持ち上げて自分の寝場所を確保することにしたわ。

もちろん嫌そうに鳴いてたけどそんなことは知ったことじゃないわ。あたしの眠りを妨げた罪は大きいのよ。



それからしばらく仮眠をとってお昼ご飯の準備が本格的に始まる前に体を休めておくことにしたわ。

この船の上での料理は戦場なのよ。





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