過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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513: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/08(日) 22:45:13.08 ID:W5dqu19v0

日もだいぶ昇った頃に目を覚ましたあたしはとりあえず濡らした布で体を拭いてお風呂に入れなかった体をきれいにしていくの。

もちろん簡単なカーテンをかけて誰にも見られないようにね。

そもそも男だらけのこの船の中であたしってば紅一点だから普通に考えてみればかなり危ないのよね。

まあこの船に一人を除いてそんなことをする人はいないし心配はないんだけどね。



身体を洗い終わったらすぐに昼食の手伝いが始まるわ。

お昼の献立は鶏を二匹つかった香草蒸しにニンニクときのこの唐辛子パスタ、それから鶏からとれた出汁の玉ねぎスープ。

いくら途中の町や港で買い足せるからと言って船の上では食材は何一つ無駄にはできない。

過酷な旅に野営を重ねてきたあたしにとっては当たり前の感覚だけど、
いろいろと考えながら食材を使わなきゃいけないのはやっぱり難しいのよね。

そこの辺りは流石はコック長といったところかしらね。

パパや漁師のみんなが信頼を置くだけあるってものね。



なんでも今日の夕方からまた漁を始めるらしくて、男どもは競うように鶏肉に手を伸ばしては腹の中へ放り込んでいたわ。

体力付けなきゃいけないのはわかるけどもう少し味わってほしいもんだわよ。

そうこう言ってるうちに出遅れたやつが渋い顔でこっちを見てくるもんだから、
かわいそうになって皿洗いの時に差し入れしてあげる羽目になっちゃったわよ。

ホントとろいんだから、余計な世話を焼かなきゃいけなくなるこっちにの身にもなりなさいってんだわ。



昼すぎ、風に当たりに甲板に出たらボルカノおじさまが船の先端で海面を鋭い目で見ていたわ。

どうやら潮の流れを見てこの先魚がどのあたりに来るかを見ているんですって。

その横では普段は間抜け面のあいつが真剣そうな顔してその話を聞いていたわ。

あたしが後ろの方からその様子を見てるのなんてまったく気づいてないみたい。

せっかくこーんな美少女が見守ってあげてるんだから挨拶くらいしたらどうなのかしら。失礼しちゃうわ。



でも、いつもは何考えてるか分からないあいつが時々見せるあの顔はちょっとかっこいいなって思うわ。

ちょっと前まではカボチャの方が素敵だと思ってたのに、今なら素直にそう思えるんだから人って変わるものね。



いつかあいつもボルカノおじさまを追い越してエスタード一の漁師って呼ばれる日が来るのかしらね。

そしたらあたしは世界一の美少女、いやその頃には美女の方が正しいのかしら、まあいいわ。

あたしは世界一の美女にしてエスタード一の漁師の、漁師の……。

まっ、なんでもいいかしらね。

とにかくあいつには誰にも恥じない男になってもらわなくちゃ困るわ。

そうでないとつり合いがとれないものね。誰ととは言わないけど。



そんなこと考えてたらあいつがこっちに気付いて笑って呼ぶもんだから咄嗟で変な声が出ちゃったじゃない。

まったくレディに恥をかかせるなんてあいつもなってないわね。

後で仕返ししてやろうっと。





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