過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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516: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/08(日) 22:52:47.26 ID:W5dqu19v0



どうやら彼女はもう限界らしかった。



無理もない。

昨日は遅くまで付き合わせちゃって、今朝はいつもより早く起こされ、料理に片付け、
漁の手伝いに魚の後処理、休む間もなく夕飯の支度に網の手入れ。

途中で仮眠はとったとはいえ、彼女にとっては少々酷な一日だったかもしれない。

もっとも、過酷な旅をしていた頃はこれ以上にひどい有様だったこともあったのだが。



なんにせよ今の彼女はぼくの言葉にも虚ろで、もう半分は夢を見ているようだった。

次第に頭が下がり始め、時々はっとしては頭を振っている。



もう寝かせよう。



そう思いぼくは彼女の体を抱きとめるとそのまま脇の下から背中にかけ、
もう片方は膝の下を抱えて持ち上げ、ゆっくりと起こさないように彼女を船室の一番奥へと運んでいく。

途中で見つかった時はどうなるかと思ったけどどうやら見て見ぬふりをしてくれているようだった。

彼らには後でお礼を言っておかなければ。



調理場にあるハンモックに彼女を横たえると少しだけ彼女は目を覚まし、
かけてあった鞄の中から何かを取り出しては広げて顔に被せる。

どうやら航海日誌のようだった。

だがそれはぼくたち漁師がつける簡素で分厚いものではなく、
織り込まれた羊皮紙を何十枚か束ね、可愛らしい装飾を施した本のようだった。



まじまじとそれを眺めていると不意に彼女が寝返りを打ち、例の日誌が床に転げ落ちる。

ぼくがそれを拾おうと手を伸ばしたとき薄闇の中である一文だけが目に映った。

そこに書かれていた内容はこうだった。





“あたしはこれからあいつのために何をするべきなのか”







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