過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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539: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/09(月) 21:19:52.90 ID:3FxrOVId0

マリベル「あら?」

王との謁見を終え、階段を降りてきた少女の目の前には先ほどとは別の人物が立っていた。

アイラ「あら マリベルじゃない!」

それは先ほど少女が名前を口にしたばかりの、元ユバールの踊り子にしてこの国のもう一人の王女だった。

マリベル「アイラ! 元気してた?」

お互いの顔を見ると二人は駆け寄り軽く抱き合う。

アイラ「あたりまえよ! マリベルこそ 慣れない 漁船での生活で 苦労してるんじゃない?」

マリベル「ううん けっこう たのしくやってるわよ。」

アイラ「そう それなら いいんだけど。」
アイラ「それよりも 聞いたわよ〜 アルスとのことっ!」

マリベル「えっ…!!」

まさか王女がそのことを知ってるとは思わず少女は“アストロン”をかけられたかのように固まって動かなくなる。

アイラ「マリベルも 隅に置けないわねー あんなに 素直じゃなかったのに!」

マリベル「ちょ ちょっと アイラ…!」

王女は意地悪そうな笑みを浮かべる。

アイラ「あら ちょっと からかいすぎたかしら。ウフフっ。」

マリベル「もうっ!」

なんとも楽しげに笑う王女に少女がかわいらしく抗議する。

アイラ「で ちゃんと 彼とは うまくやってるの?」

マリベル「っ…… うん……。」

あの夜以来いくつもの困難を乗り越えながら二人は順調に互いの距離を詰めている。

そんな気が少女もしていたため、なんとか王女の問いかけにも答えることができた。



アイラ「あーあ うらやましいな マリベルは。」



マリベル「えっ?」

唐突な言葉に思わず少女は下がっていた目線を上げる。

アイラ「あんなに 素敵な人 滅多にいないもの。そんな人と結ばれた マリベルは 幸せ者よ。」

王女はどこか寂しそうな、なんとも言えない表情をしていた。

マリベル「アイラ……。」

アイラ「でも 安心しちゃダメよ? きっと 世界中の美女が 彼を狙っているに違いないから。」

マリベル「っ… も もちろん 誰にも 渡さないわ! あいつのことを 全部受け止めてやれるのは 世界で あたしだけなんだから!」
マリベル「あっ ボルカノさんやマーレさんには 敵わないかもしれないけど……。」

そう言って少女は再び意気を失くして俯く。

アイラ「ふ ふふふ……。あっはははは!」

そんな少女を他所に王女は高らかに笑いだす。

マリベル「アイラ……?」

アイラ「やーっぱり あなたには 敵わないわね マリベル。」
アイラ「これなら どんな人が 彼に言い寄ったって 大丈夫そうね。 安心したわ。」

そう言って王女はまなじりに溜まった涙を拭いて微笑む。



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