過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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560: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/10(火) 19:22:17.16 ID:qDyAt+CI0



マリベル「…あ そうだ!」



かと思えば突然跳ね起きて炊事場から何かを持ってきた。

マリベル「じゃーん。」

アルス「あ それって…!」

マリベル「あたしの お気に入りのドレスよ!」

その手にぶら下がっていたのはかつてフォロッド城での事件で破かれてしまった少女の一張羅だった。

アルス「どうしたの?」

マリベル「ほら 昨日 城下町に行ってきたでしょ? その時に 偶然 同じのが 一着だけあったから 買ってきたのよ。」
マリベル「このドレスも 大人っぽくて 好きだけど やっぱり これも惜しくってさ。」
マリベル「うふふ。高かったんだからね〜。」

そう言って少女は買ったばかりのドレスを両手に掲げて鼻歌を鳴らす。

アルス「たしかに それの方が マリベルって感じだしね。」

マリベル「それって 褒めてるの?」

アルス「も もちろんだよ……。」
アルス「…そ そういえば 頭巾も買ってきたの?」

マリベル「え? ええ そうだけど それが どうかしたかしら?」

アルス「いや せっかく きれいな 髪なのに また 隠しちゃうのかなって。」

マリベル「なっ……。」

少女はいつの間にか立ち上がった少年に髪を撫でられていた。

マリベル「…………………。」

心地よい感触と少年の真っすぐな殺し文句に思わず顔が熱を帯び、少女はしばらく黙り込んで思案する。

マリベル「……そうね そこまで 言われちゃ 仕方がないわ。」
マリベル「…頭巾をするのは 甲板に出た時と お料理中 だけに しておこうかしらね。」

いつもは潮風で髪が痛むのを防ぐためと周りには言い聞かしているが、
本当のところはところどころ跳ね返る癖っ毛が恥ずかしく、
隠しておきたいというのが彼女なりの本音だった。
しかしフォロッドの王太后のみならず少年にまでこう言われてしまった以上、
必要以上に髪を隠すことも、気にすることもないのではないかと、少しだけだがそんな風に思えたのだった。



マリベル「…で いつまで 触ってるのよ?」



アルス「…飽きるまで。」



気付けば少年は少女の跳ね返った巻き毛を指に巻き付かせて遊んでいた。

マリベル「…………………。」

”いったい何が楽しいのだろうか”

少年の考えることはさっぱりわからなかったが、なんだか振り払うのも惜しいような気がして、
言葉通り少年が飽きるまで少女はそうして身を預けているのだった。




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