過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/01/13(金) 19:29:38.23 ID:ZKa88jEr0
わずかに開けた扉の隙間から三毛猫が飛び出してきた。
アルス「…びっくりした……。」
そうして今度は猫を抱え上げ、少年は再び部屋の中を覗き見る。
トパーズ「なうなうなう〜。」
アルス「ん?」
いつになくよくしゃべる三毛猫を撫でながら少年はベッドの膨らみを見つける。
アルス「……マリベル?」
マリベル「…………………。」
アルス「……?」
どうやら寝ているわけではなさそうだが、呼び掛けても返事のないのを不思議に思い
少年は少女の肩の部分と思わしきところを少しだけ揺さぶる。
マリベル「…う……。」
アルス「ま マリベルっ!?」
突然漏れた苦しそうな声に少年は慌てて布団を剥し少女を呼ぶ。
マリベル「あ アルス…… ごめん ちょっと待ってて……。」
少女は痛みを堪えるように片目をつぶったまま弱弱しい声で言う。
アルス「えっ ど どこか 悪いの!?」
マリベル「…………………。」
少年の問いかけに少女は無言で下腹部を擦る。
アルス「っ…… わかった。」
アルス「今日は 父さんと 二人で 行ってくるから マリベルは休んでて。」
少年は少女の言わんとしていることを察して布団をかけなおす。
マリベル「だ 大丈夫よ そんなに 辛くないから……。」
口では強がっているがその顔は冴えない。
アルス「いいんだ。それより 無理しないで。」
マリベル「……ごめん。たぶん すぐに 良くなるから また後でね。」
アルス「うん わかった。じゃあ……。」
そう言うと少年は少女の額に口づけを落とし、“ベホマ。”と小さく呟いて部屋を後にする。
マリベル「…………………。」
少女は少しだけ赤い顔で閉められた扉を目だけで見る。
どうやら先ほどの呪文は少年なりの“おまじない”だったのだろう。
呪文では痛みを取り除くことはできないが、冷えた体の内側が温まるような不思議な感覚に包まれた。
マリベル「…ふう……。」
“まさか彼にこんなことまで気を遣われてしまうとは”
そんな不甲斐なく思う気持ちもあったが、どこか嬉しい気持ちが勝り、いつの間にか痛みが引いて行くような感覚を覚える。
マリベル「…フフフっ……。」
なんとか今日一日も頑張れそうな気がしてきたのだった。
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