過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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643: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/13(金) 19:50:32.18 ID:ZKa88jEr0



ボルカノ「案外 あっけなかったな。」



アルス「でしょ?」

式を終えた一行は協会のロビーでしばし休みを取っていた。

マリベル「きっと マーレおばさま 喜びますわ!」

少年の父親の持つ賞状と副賞の腕輪を見ながら少女は興奮冷めやらぬ様子で言う。

セファーナ「あんなにたくさんの人が 見に来るなんて……。」

族長もどこか興奮気味に感想を述べている。

アルス「さて そろそろ 行こうか。」

そう言って少年が出口に向かって歩き出した時だった。



セファーナ「あ 待ってください!」



急に族長が少年を呼び止めると小走りに受付に向かっていく。

*「おや あなたは。」
*「セファーナさん 今日は どんなご用件で?」

セファーナ「わたしのランキング登録を 消していただきたくて……。」

*「なんと! それはそれは もったいない! あなたほどもあろう人が かしこさランキングから 名を消してしまうだなんて……。」

セファーナ「いえ いいんです。もともと 自分の意思で 登録したわけではありませんから。」

*「そうですか…… 少々お待ちください。」

そう言って男は書類に目を通し、後ろに向かって何やら話しかけた。

すると奥の部屋から審査員の初老の男性が出てきて娘に語り掛ける。

アイク「これは セファーナさん この度は ランキング登録を 抹消してしまう ということですが いったい どうしてですか?」

セファーナ「ランキングという形で 自分のことを 誇示してしまうようで なんだか 恥ずかしくて……。」

アイク「そうですか 確かに ランキングに名を連ねることは それだけで 人に 一目置かれてしまうこと かもしれませんね。」
アイク「それならば 仕方のないことです。」
アイク「……ですが あくなき探求心は 決して 忘れないでいてくださいね。」
アイク「かしこさランキングは いつでも あなたのような賢人を お待ちしておりますよ。」

セファーナ「……はい。」

アイク「では あとは お願いします。」

*「はい わかりました。」

受付の男は審査員に促されると書類を引っ張り出して作業に取り掛かる。

セファーナ「…お待たせしました。それでは 行きましょうか。」

少年たちの方を向き直って族長が言う。

アルス「いいんですね?」

セファーナ「ええ。もう 心残りはありません。」

マリベル「もったいないわねえ… セファーナさんなら カッコよさランキングでも 上位に入りそうなのに。」

ボルカノ「なんとなく その気持ちはわかるけどな。」

こうして無事それぞれの目的を終えた一行は協会を後にした。

セファーナ「…これで いいんです。」

重厚な木の扉がリファの娘によりゆっくりと閉じられる。

その扉はまるで来賓の帰りを惜しむように大きな軋みをあげながら、
いつか再び娘に開かれるに時を心待ちにしているようだった。



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