過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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672: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/14(土) 18:12:39.06 ID:I8BPs1sh0



アルス「…………………。」



少年は船縁に両肘をついて物思いに耽っていた。もしこのままあの船と出会ってしまったら、
自分の本当の父親と育ての親が出会ってしまったら、自分はその時なんと言えばいいのだろうか。

そんなことを考えていたためか少年はいつになく無口になってしまっていた。

“このままでは父に余計に怪しまれる”

そんな思いで少年は逃げるように甲板へとやってきたのであった。

アルス「ぼくは どうすれば いいんだ……。」



マリベル「どうしたのよ。」



アルス「っ…! マリベル……!」

急に後ろから話しかけられ少年はまるで敵を目の前にしたかのように目を見開き振り返る。

マリベル「な 何よ……。」

そんな少年の形相に押され少女はほんの少しだけ後ずさる。

アルス「……ごめん なんでもないんだ。」

すぐに警戒の色を解くと少年は謝り、また船縁に肘をついてまだ遠くに見える双胴船を眺めてため息をつく。

マリベル「どーしちゃったの? マール・デ・ドラゴーンが どうかしたわけ?」

アルス「なんでもないよ。」

少年は振り向きもせずに答える。

マリベル「嘘ね。それなら そんなふうに 過剰反応したりしないわ。」

アルス「…………………。」

少女の指摘に少年は押し黙る。

それすら少女の言葉を肯定していることはわかってはいたが、返す言葉が何も浮かんでこなかったのだ。

マリベル「ねえ あの船で 何かあったの?」

アルス「なにも……ないよ。」

マリベル「…………………。」
マリベル「あっそ。あたしにも 話せないなんて よっぽどのことなのね。」

少女はこれ以上問いただしても答えはしないだろうと踏んで追及をやめる。

マリベル「でもね あんたの悩みは 今や あんただけのものじゃないってことを 忘れないでちょうだい。」

そう言って少女は船室へと降りて行ってしまった。




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