過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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673: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/14(土) 18:13:29.25 ID:I8BPs1sh0

アルス「…………………。」

少年は黙ったまま動かなかった。

否、動けなかったのだ。

いくら彼女だとしても自分の複雑な出自を伝えるのはどこか気が進まなかったのだ。

旅の最中も隠し通した自分の運命を。

“土足で踏み込んで欲しくない最後の領域”

そんな言葉が少年の胸をよぎっていった。

そう、これは少年とあの夫婦だけが知る秘密として墓場まで持っていくつもりのことだった。

しかし少年はどこかでこのままでいいのかという気もしていた。
愛情を注いで育ててくれた両親に、自分の隣で共に歩んでくれる彼女に、
そして共に戦ってきた仲間たちに永遠に自分の正体を隠したまま生きていくことが果たして正しいことなのか。



“あんたの悩みは 今や あんただけのものじゃない”



先ほど少女が残した言葉が少年の頭の中で繰り返される。

そう、彼女とて興味本位で少年を問いただしたわけではないのだ。
少年が思い悩み、苦しんでいるのがわかっていたからこそこうして自分を追いかけ、訊ねてきてくれたのだった。

その悩みを自分と共有できるように。

アルス「まいったな……。」

考えれば考えるほど少年は迷っていく。

秘密を持つという罪悪感と打ち明けた時の衝撃との間に挟まれ、抜け出せない葛藤の中へとはまっていくのだった。





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