過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
1- 20
699: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/14(土) 18:43:13.84 ID:I8BPs1sh0

扉の向こうから返ってきた声を聞いて少年は思い切って扉を開ける。

アルス「……見つけた!」

少女は部屋の隅に置かれたベッドに腰掛け、一人物思いに耽る様に窓の向こうを見つめていた。

マリベル「…アルス……。」

少女の姿を見つけて安心したように表情の明るくする少年とは対称的に、振り向いた少女の顔はとても暗かった。

アルス「……マリベル?」

少年が少女の手を取りその名前を呼ぶも当の本人の表情は尚も晴れない。

マリベル「……おかえりなさい。」

アルス「どうしたの?」

不審に感じた少年は少女の隣に座ると心配そうにその顔を覗き込む。

マリベル「……ううん。なんでもないの。」

そう言って少女は自分の体を抱きしめるように腕を組み瞳を閉じる。

アルス「も もしかして まだ 辛いの?」

昨日に引き続き今日も体の調子が良くないのだろうかと少年はその身を案じて訊ねる。

マリベル「ちがう… 違うのよ……。」

それすら否定する少女の声は今にも消えてしまいそうで、まるで触れたら壊れてしまいそうな儚さを湛えていた。

アルス「……なにか あったんだね。」

マリベル「…………………。」

少女は何も答えず、ただ少年の目をじっと見つめていた。

だがそれは少年の問いに対する何よりもの答えだった。

アルス「……そう。」

少年はそれ以上何も聞かず、少女の体を壊してしまわないようにそっと抱きしめる。



アルス「きみに 言わなくちゃいけないことがあるんだ。」



マリベル「えっ……?」



少年は少女の耳元でそっと囁く。

これまで自分が誰にも打ち明けずに黙っていたことを、少女に話す決心を付けたのだ。





アルス「ぼくが 本当は何者なのか。」







<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1492.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice