過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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800: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/18(水) 19:17:58.39 ID:NwVM2m3w0

青い空がどこまでも続いている。

今にも消えてしまいそうな雲だけがわずかばかりに浮かんでいるだけの空。

そしてその空をそのまま映したように真っ青な海の上、漁船アミット号は緩やかな東からの風を受けて航行していた。

マリベル「…………………。」

そんな中、少女は一人、船尾に立って先ほどまで滞在していた町の方角を眺めていた。

マリベル「あんなのでも もう 自分のやることを 見つけてるのね……。」

少女は先ほど男が言っていた言葉を思い出して独り言つ。

“私も 時々は 町にきて 人助けでもしようと 思ってるので”

かつて町を壊滅へ追い込んだ魔物は封印され、時を経ることで人の姿となりその心を改め、
今ではすっかり罪滅ぼしをせんと意気込むまでに至っていた。

少女が“軟弱”とこけおろしたあの男が。

マリベル「…………………。」

少女にはそれが羨ましく感じられた。
いつまでもこれからすべきことの見つからない自分とは違い、
彼はしっかりと自分の道を見つけ、それに向かおうとしている。

マリベル「なんか 腹立つ。」

そんなことを考えているうちに自分への怒りなのか、
彼への嫉妬なのか、それとも今朝の鶏への恨みなのか分からぬ苛立ちが少女を襲ってきた。



アルス「あ マリベル そんなとこに いたんだ。」



そんなことも知らずにのこのことやって来た少年が少女の背中に呼びかける。

マリベル「……いいところに 来たわね アルス。」

アルス「ん?」

羊を目の前にした狼は今まさに跳びかからんと低い唸り声を上げている。

マリベル「このイライラを なんとか なさい。」

アルス「ええっ? 何の話?」

マリベル「いいから なんか スカッとする 話しなさいよ。」

いきなりのことに狼狽する少年に少女は詰め寄りにらみつける。

アルス「そんな 無茶な……。」

マリベル「……この 役立たず。もう いいわよ。」

そう言って少女は身体を仰け反らせて抗議する少年に背を向け、だんまりを決め込んでしまった。

マリベル「……はあ………。」

アルス「…………………。」



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