過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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804: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/18(水) 19:24:10.97 ID:NwVM2m3w0

*「なあ… まだ 着かねえのか?」

アルス「もうすぐですよ。」

日も暮れ始めた頃、次の大陸へと上陸した漁船アミット号一行は
料理長と漁師を船に残し、日のあまり射さない薄暗い森の中を行進していた。

*「しかし こんな 森の中 歩いてて 本当に 大丈夫なのか?」

マリベル「なによ 弱気ねえ。もう あんまり 時間ないんだし 急がないと。」

そう言って不安そうに辺りを囲う背の高い木々を見上げる漁師たちを少女が急かす。



ボルカノ「ん? 出口か?」



するとそれまで何も言わずに少年と少女についてきていた船長が急に口を開く。

*「おおっ 視界が ひらけた!」

*「見ろよっ! 村だ!」

船長の言葉に、前へ出てきた漁師たちが嬉しそうにはしゃぐ。

アルス「あれが プロビナの村です。」

そう言って少年が指差す先、そこには山々に囲まれた小さな村があった。

*「おっ こっちにも 道があるじゃねえか!」

*「じゃあ どっちも 正しい道って わけなんだな。」

マリベル「だーから 言ったでしょ? こっちの方が 近道だって。」

*「いやあ すいません ついつい……。」

得意げに言う少女に飯番の男がバツが悪そうに頭を掻く。

アルス「さあ 急ぎましょう。早くしないと 山の上まで 着けません。」

*「ええっ おれたちも 登るのか!?」

少年の言葉に漁師の一人が顔を青くして身動ぎする。

マリベル「べっつにー? 嫌なら 宿で 待っててもいいんだけど。」

ボルカノ「まあ お前たちは 先に休んでて かまわんぞ。」

アルス「王さまの手紙は ぼくたちが わたしておきますから。」

*「さ さっすが ボルカノさんに アルス! 話が わかりますなあ!」

そう言って男は胸を撫でおろす。

マリベル「…わーるかったわねえ。話の分からない人で。」

*「うっ… いや マリベルおじょうさん ち 違うんですよ これは……。」

いかにも不機嫌そうに言う少女に男は慌てて弁解につとめようとする。

マリベル「ふーん? 何が ちがうって言うのかしらん?」

アルス「まあまあ マリベル。」

マリベル「なによ アルス。」

アルス「ほらっ 急ごう?」

そう言って少年は少女を呼び止めるとその手を握り催促する。

マリベル「……ふんっ わかってるわよ。」

少女はまだ不機嫌そうな表情でそれを受け入れると、男を残してさっさと歩き出してしまうのだった。

*「…………………。」
*「た たすかった」

そして一人残された漁師は額の汗を拭うとこっそりと、心の中で少年に感謝しながら列の中へ戻って行くのだった。





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