過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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813: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/18(水) 19:40:58.53 ID:NwVM2m3w0

アルス「うっ 寒い……。」

池のほとりを歩く少年は吹き付ける北風に思わず身を縮める。

アルス「マリベルったら いつまで 入ってんだろう……。」

“乙女の 入浴は 長いのよ!”

なんていう言葉がすぐに返ってきそうだと思いながら少年は歩みを進める。

その時だった。



アルス「ん……?」



少年はふと胸のあたりに不思議な温かさを感じ服の下を覗き込む。

アルス「あれ…… ペンダントが……。」

熱の正体は人魚の母から受け取った涙の真珠の垂れ飾りだった。
そしてよく見るとそれは僅かながら淡い光を発しているように見えた。

アルス「んっ!?」

そして気付けば腰に下げた袋の中からも青白い光が漏れているのが見え、少年は急いで袋の中に手を突っ込み中をまさぐる。

アルス「これは…… 人魚の月?」

そう言って少年が取りだしたのは蒼白の三日月の中に真珠のような純白の玉取り付けられた海底に眠る月。
それはかつて少年が過去のコスタールで手に入れた伝説の宝石だった。
その人魚の月が胸の垂れ飾りと同じように淡い光を放っている。

アルス「うっ…!」

そして妙な感覚を腕に覚え袖をまくれば再び精霊の紋章が浮き上がりぼうっと輝きだした。

まるで二つの宝石に呼応するかのように。

アルス「これは… いったい……。」

少年はその幻想的な光にしばらく魅入っていたが、やがて腕の紋章が光を失うとつられるようにして二つの宝石も発光を終えた。

しかし少年にはその輝きが先ほどよりも増したように感じられた。

アルス「…………………。」
アルス「あれ?」

少年はそれらが光を失くしても尚まじまじとそれを眺めていたが、ふと足元を見た時、そこに何かが転がっていることに気が付いた。

アルス「これは……?」

それは一枚の紙のようだったが、ひどく古ぼけていて一見何が書かれているのかはわからなかった。

アルス「…………………。」

拾い上げて裏返すとそれは絵画だった。

そこには女神が泉の水で傷を癒す姿が描かれている。

アルス「いつの間に 落としたんだろう……。」

どうやら先ほど慌てて袋の中から人魚の月を取り出すときに引っかかって落ちてしまったのだろう。
少年はしばらくそれをじっくりと眺めていたがあることを思いだして駆けだす。



アルス「いけないっ マリベルのこと 忘れてた!」





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