過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/01/19(木) 19:50:57.03 ID:lJAdciEW0
それから更に時は経ち、昼食を終えた船内は見張りと舵を残して休憩に入っていた。
アルス「…………………。」
少年は自分のハンモックに寝転び先ほど海底から拾い上げられた石版を眺めていた。
アルス「…ふっ。」
少年は小さく溜息を漏らす。
偶然拾った石版の世界で別れた直後の王子に再会し、声は届かぬもののなんとか王のメッセージを届け、彼の試練を見守った。
彼の姿を見たのは、それが最後だった。
そして今、この石版からは詳細こそわからないが彼がその後元気に過ごしているということが見て取れた。
正確に言えば“元気に過ごしていた”、というべきか。
それが、彼が少年たちに残した最後のメッセージだった。
アルス「運よく拾ったからいいもの……。」
“もし 拾われなかったら どうするつもりだったんだ。”
アルス「……ったく。」
吐き捨てるように言うと少年は天井を見上げる。少し黒ずんだ木目が少年を嘲笑うかのように見下ろしていた。
アルス「キーファ……。」
“あの時どうして無理矢理にでも連れて帰らなかったのか”
今でも時々自問自答を繰り返す。
息子が二度と帰らないと聞かされた時の国王の悲しみ、兄が忽然と姿を消してしまったことへの王女の絶望、国民の落胆。
“彼が残らねばあの大陸は復活しなかったのだ”
そう結論付けて飲み込むしかなかった。
ユバールの踊り子との出会いも彼があの地に残らねば実現しなかった。
それどころか偽の神の復活も魔王の君臨も、その討伐もなかったのかもしれない。
結果的に彼の行動がなければ現在はなかったのだ。
少年にとっては親友との別れという残酷な運命も、
本来あるべき世界を取り戻すためには必要不可欠で、
それが少年の助けとなったこともまた事実なのだ。
だからこそ少年は今もこうして自らの好奇心に、下した決断に、運命に苛まれている。
アルス「っ……。」
“ギリリッ”という音を立てて少年は歯を食いしばる。
*「フー……。」
そんな時だった。
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