過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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91: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/26(月) 19:28:20.78 ID:PzmFtaYD0

*「っくしゅん……!」

遠い故郷では自分のことで話が盛り上がっているなどつゆ知らず、
少女は体の不調からくるものではない不自然な悪寒を覚え、たまらずくしゃみをする。

*「大丈夫ですか マリベルおじょうさん。潮風が お体に 障りましたか?」

マリベル「ううん 大丈夫よ。それより ほら 城が見えてきたわよ。」

そう言って少女が指さす先には堀に囲まれた高い城壁がそびえ立っていた。

*「あれが フォロッド城… なんだか 砦みたいっすね。」

マリベル「はたから見たら そう思うかもねえ。」

*「……やけに 静かですね。」

マリベル「……………変ね。」

漁師の言葉に耳を澄ましてみると確かにそこには不自然な静寂が漂っていた。

マリベル「…急ぐわよ!」

胸騒ぎを感じた少女は漁師たちを促し速足で城へと近づいた。

その時だった。



*「止まれ!」

*「そこを動くな!」



マリベル「えっ…!?」

突然の大声に振り向くと詰所の脇から重装備の番兵が現れ少女たちの行く手を阻んだ。

マリベル「な 何よ あんたたち。あたしたちは ここの王さまに 用があるのよ!」

*「うるさいっ! 貴様ら 魔王の手先だろう! こんな中 外から やってくる奴が 無事なわけあるか!」

マリベル「はぁっ? ちょっと 待ちなさいよ!」

*「黙れいっ おまえら こいつらを 取り押さえろ! 抵抗するなら 殺しても 構わん!」

尚も番兵は聞く耳を持たず、辺りは武器を構えた兵士たちに取り囲まれてしまった。

マリベル「何よ やる気なのっ!? それなら こっちだって…。」

*「マリベルおじょうさん こりゃ なんかの 勘違いですぜ。」
*「ここは大人しくしておいて 後で 誤解を解いたほうが得策なんじゃ…!」

負けじと臨戦態勢を取る少女の耳に銛番の男が小声で言う。

マリベル「むぅ… それもそうね。」
マリベル「わかったわ。抵抗なんてしないから さっさと 連れて行きなさいよ!」

そういって少女は手を上げて降伏の意思を示す。

*「よし しばって 牢にぶちこんでおけ!」

マリベル「ちょっと どうして そうなるのよっ!」

*「早く歩け! 命が惜しけりゃ 大人しくしてるんだな。
*「後で みっちり 拷問してやる。」 

*「ひいいっ!」

マリベル「…っ!!」
マリベル「まずい ことになったわね…。」

*「じょ じょうだんじゃねえぜ……!」

*「こんなところで 死にたくねえよぉ!」

マリベル「…………………。」
マリベル「アルス……。」

少女はただ、遠くの空を見上げ少年の名を呼ぶ。

ここにはいない少年の名を。



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