過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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962: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/21(土) 18:35:58.92 ID:iolHgxip0



この一か月は本当に目まぐるしく過ぎていった。



ぼくが帰ってきたことで集まって来ていた人たちもほとんどいなくなって、
ようやくほとぼりが冷めた頃、彼女の家でぼくは彼女の両親と腹を割って話し合った。

どうなることかと思ったけど、二人ともぼくたちのことを祝福してくれた。



それからほどなくして彼女は不便なく動けるほどに回復していった。

それを見計らったようにぼくたちは城に呼ばれて盛大なパーティーが開かれた。

どうやら仲間の漁師たちは魔物たちとの戦いまでしっかりと伝えてくれていたらしい。

大使としての使命だけじゃなくて、また世界を救ったなんていってみんなの前で表彰されちゃったりして、ちょっと恥ずかしかったな。



そしてその宴の後、ぼくは父さんの前で母さんに本当のことを打ち明けた。

水の精霊のこと、シャークアイとアニエスというもう一つの両親のこと、ぼくがどうして二人のもとに生まれたのか。

全部、全部ね。

それで最後に言ったんだ。

“ぼくは 母さんの 本当の 息子です”ってさ。

最初こそ驚いていたけどそこはやっぱり母さんだ。

“なに 当たり前のこと 言ってんだよっ”ってぼくのことを抱きしめてくれた。

父さんなんてこれっぽっちも心配してなかったみたいだ。

さすが、母さんのことをよくわかってる。



これで。

これで良かったんだ。



それからぼくはすっかり元気になった彼女にあっちこっち連れまわされた。

というのは冗談で、彼女の笑顔が見たくて約束していたところに行ったりしたんだ。

メモリアリーフにエンゴウ、それから町での買い物にぼく自身の無事の報告まで。

どこへ行ってもああじゃないこうじゃないって言うんだけど、やっぱり本人は楽しそうだった。

ぼくからすれば彼女といられるならどこへ行っても楽しいんだけど、ね。



そうそう、最近あれ以来の漁が始まったんだ。

とはいってもアミット号はボロボロになっちゃったからしばらく、いや、当分の間遠洋には出られない。

だからぼくたちは新しい船が完成するまで海岸に泊めてある小さな船で沿岸の漁業をすることになったんだ。

いくら日帰りで帰れるとはいってもやっぱり漁は大変だ。

せっかくアミット漁でいろんな経験ができたっていうのに、今度は小さな船でやらなきゃいけないからこれがまた勝手が違くって戸惑うことばっかりさ。

少なくとも造船には一年くらいかかるらしい。

なんでも今度の船は舵輪がついた新しい形になるんだとか。

今から楽しみだな。

まあ、それまでは少しずつ父さんにいろんなことを教えてもらおうと思ってる。

それにぼくだっていつかは網元としての仕事をやらなくちゃいけないわけだし、そっちの勉強もしなくちゃいけない。

ただ、これは彼女に教えてもらうことが多いんだけど。



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