4:名無しNIPPER[saga]
2016/12/26(月) 21:17:07.24 ID:ZK6xe4Abo
考えてみれば、雪美ちゃんの家に行くのはこれが初めてでだ。
雪美ちゃんと出会ったのは、事務所のオーディション会場で、
その後の契約もあっという間に進んでいったこともあって、結局どんな家に住んでいるのかも、両親の顔すらも、私は知らない。
例えば、家ではよく喋る女の子かもしれない。なんて……
そんなことを考えている間に、住宅街から少し離れたところにある、大正ロマン風の建築物が見えてきた。
その場所には“佐城写真館”と書かれていて、入り口から店内へと入るとおよそ50代〜60代くらいの男性が私を出迎えた。
胸ポケットにいつも閉まっている名刺入れから、名刺を一枚取り出して手渡すとその男性は私の名刺を見て、ああ貴方がと呟いた。
「どうも、私は雪美の祖父です」
確かに、赤い目の色がそっくりで、どことなく雰囲気が似ているような気がする。
「すいません。中々、ごあいさつに伺えなくて…」
「いえいえ、貴方の事は雪美からよく聞いてますよ。とても頼りになる人だと。それに最近の雪美は楽しそうですから、むしろこちらかお伺いしようと考えていたくらいですよ」
確かに、最初に出会ったころは、少し表情と感情の変化が乏しかったと思う。
しかし、最近は笑っているところを見ることが多くなった気がする。
それに、事務所の子たちとも、仲良くできているみたいで、つい先日もLMBGのみんなでカラオケに行ったらしい。
今度は私も来て欲しいと雪美ちゃんから誘いを受けて、次にみんなのオフが重なった時に一緒にカラオケに行こうと約束をした。
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