過去ログ - 輿水幸子「クリスマスと小箱」
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4: ◆9CUtNS6CZQ[saga]
2016/12/26(月) 21:38:55.82 ID:nIhBSUOf0
プロデューサーは予定を曲げるような人ではないはず。過去に自分が言った我儘に予定通り付き合ってもらったり、逆に仕事があれば些細なことだろうと断ってきた(その後聞いてもらったが)彼を知っていたので、
彼女は待つことが出来た。

「カワイイボクをこんなに待たせるだなんて・・・まったくプロデューサーさんは困ったものですね」

そもそも約束など取り付けていないことなど重々承知していた。年末年始の忙しいタイミングに我儘をいうほど子供ではなかったが、メールで知らせておくくらいはしても良かったかな、と先週の自分を少しだけ恨んでいた。

彼を、いつでもボクをみてくれて、カワイイと褒めてくれて、少しだけ意地悪なあの人に感謝を告げるために、幸子は待ちつづけた。


それももう限界のようだった。ちひろがとうとう戸締りの確認を始めていた。所属アイドルといえど、責任者がセキュリティをかけて退出するならば、幸子も帰らざるを得ない。
待ちたい気持ちを抑え、仕方なく手荷物をまとめる。腕に抱えたままの小箱を寂し気に見つめ、トートにしまおうといったときだった。

カッカッカッ、とコンクリートが響く音が事務所入り口の方から聞こえた。短いテンポで、だんだんと大きくなる足音。
聴くに革靴のようだった。この事務所において革靴を履く人物で今事務所にきてもおかしくない人物を幸子は知っていた。
彼だ。

入り口ドアの刷りガラスにスーツとネクタイが映る。間違いなかった。不安とガッカリ感は何処かへ消えてしまった。



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