55:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 22:37:21.89 ID:Hhhi1HzW0
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あてもなく街をふらついていると、次第に夜の闇が深くなってきました。
もうとっくに家に帰ってないといけない時間だけど、今日はどこにも帰りたくありません。
じっとしていると、振り切ったときに凛ちゃんが見せた寂しそうな顔を、鮮明に思い出してしまうからです。
でも野宿なんてしたことないし──
どうすればいいんだろう。
まるで夢遊病患者みたいに力なく歩いていると、視界の先にある人物がいました。
大勢の人が行き交う街の繁華街で、人混みの中から確かにこちらを見据えています。
花陽「どうして、また──」
今朝の交差点で行き遭った化物は私から視線を外さず、にやりと不気味に笑ったんです。
何故、こんなところに?
再浮上してきた疑問に対する解を探し出すよりも早く、例の化物はその場から逃げるように走り出しました。
花陽「待ってください!」
身体は自然とその女を追っていました。
理由はわかりません。
ただ自分を納得させる理由なら、いくらか見つけることができたと思います。
捕まえて警察に突き出す。私に付き纏う理由を問い質す。本当に人間なのか確かめる。
そう、理由なんかなんだって構いません。
今はあの女に追いつくのが先です。
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