7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:37:33.56 ID:Hhhi1HzW0
花陽「にこちゃん……」
にこ「あんたが体調悪いと、こっちまで調子狂っちゃうじゃない……だからきっちり治して、とっとと帰ってきなさいよ。いい?」
花陽「う、うん。ごめんね、みんな」
凛「かよちん……早く良くなってね」
逃げるようにその場から立ち去っても、線は眼の前から消えてくれません。
それどころか、帰路に着くために街を歩いていると、余計に線を視る機会が増えました。
行き交う人の身体には必ず線が視えます。
前々から気がついてはいたんですが、どうやらこの線は、生きているモノには必ず刻まれているようなんです。
花陽「生きているモノには必ず刻まれている線、かあ。やっぱり病気なのかな」
帰り道、何気なく立ち寄った公園でふと考え事をしていると、珍しいものを見つけました。
花陽「なんだろ、これ。ペーパーナイフ?」
落とし物なら、届けてあげないと──
そう思った私は、目的地を自宅から交番に変更して、そそくさと歩き出しました。
??「そこの君、ちょっと待ちなさい」
振り向くと、そこにはスーツを着込んだ綺麗な大人の女性がいました。
パンツスーツとヒールがやけに似合うその女性は、かけていた眼鏡を指で軽くいじると、私に向かって柔和な態度で手招きしてきたんです。
花陽「あ、あの……なにかご用でしょうか?」
??「──それ、私のなのよ」
私は自分の手の中に収まったペーパーナイフを、じっと見つめて目を丸くしました。
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