過去ログ - 高垣楓「おいしい酒」
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11: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2016/12/28(水) 22:53:54.72 ID:0u119bRi0

P「両方とも同じ楓さんか、うーん…」

そう言って、彼は腕を組み目をぎゅっと閉じました。仕事中に物事を深く考える時に彼が良くする行動です。

その真剣な表情が、私は密かに好きだったり。でも…。

楓「私が話題を振った手前で申し訳ないですけど、お酒の席なんですから、お仕事モードはメッ、ですよ?」

私は皺の寄った彼の眉をぐいと抑えました。

P「ああ、バレちゃいました?すみません」

楓「でもひとつ言うとしたら、世間一般がイメージしている私の姿というのを、私は誇りに思ってますよ。その姿があって、今の私があるんですから。だからこそ、プロデューサーには感謝しています」

彼は「ありがとうございます」と言って、頬を掻きました。

自分というものを極力抑えるモデルという仕事から、自分を魅せるアイドルへと導いてくれたのは、まさしく彼なのです。そうして魅せた結果が、お淑やかであったり、ミステリアスな印象の私が新たに生まれただけなのですから。

お酒は、三井の寿の熱燗にシフトチェンジ。福岡のお酒で、このお酒を好きなある漫画家さんが、登場人物にその名前を使ったのだとか。辛口のお酒らしい、飲みやすく飽きの来ない味です。

彼は猪口に入ったお酒をくいと飲み、一息ついてから私の方に視線を向けました。

P「でも、この店でお喋りしながら飲む、等身大の楓さんのことを俺は知ってますし、その楓さんのことを俺が一番知ってますから」

「だから安心してください」と彼は表情を和らげながら言いました。

...ちょっとクサいけど、そういう言葉はズルいです。




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