過去ログ - 【コンマ安価】２次創作聖杯大戦を生き残れ【オリ主】 -SS速報VIP

過去ログ - 【コンマ安価】２次創作聖杯大戦を生き残れ【オリ主】

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99: ◆XVOS/FY0A/il[saga]
2016/12/31(土) 16:59:53.15 ID:wNDCdpod0
　ポストに入っていたものを適当に置いといたのだろうか。
　捺印はなし、差出人も不明。
　何となく惹かれるものがあって、封を開けると黒字に白文字の用紙が。
　用紙には、一言だけ記されていた。

『汝、戦いを望むか？』

　……うーん、何ともリアクションに困る代物であった。
　ややオカルト的なジョークグッズ？　それとも中二病ノートの切れ端？
　うぅーん、こんなものを買った覚えも書いた覚えもないのだけれど。
　よくよく見ると用紙はもう一枚綴られている。
　ぺラリとめくると、そこにはまた別の質問が。

『汝、願いはあるか？』

　うーん、訳が分からない。
　気味が悪いったらありゃしない。

「魔術……的な反応はないよねえ」

　しっかりと確認するが、魔力反応もなし。
　割と意外に思われるかもしれないが、私は魔術を扱える。
　まぁ、アニメや映画とかであるアレ的なものだ。
　更にいうと両親なんかは、魔術師だったし、その血と刻印、技術を相続している。
　幼い頃はバリバリに英才教育を施されたものだったが、両親の死によりそれもなくなった。
　親戚は魔術のまの字も知らない、ごく平凡（というかそっちが当たり前なのだが）な家庭だったし、私も両親の死と共にそちらの道は諦めた。
　両親の知り合いらしき人が、魔術の道を勧めにきたこともあったが、それも断った。
　そんなに未練はなかったし、これ以上親戚に心配を掛けさせたくないという想いもあった。
　何より、両親の教えに従った。
　両親は魔術を『根源』への到達にではなく、誰かの役に立てるように学べと教えてくれた。
　ならばこそ、時計台で研鑽のためだけに魔術を極めるのは道理が違うと思った。
　私は私として日常を生き、その中で役立てる機会があれば魔術を使用していく。
　それでいいと、思っている。
　……ちなみに、一つ断っておくと、両親は決して魔術的な因縁やら何やらに巻き込まれて謀殺された訳ではない。
　ただ居眠り運転していたダンプカーが対向車線にまで突っ込んできて、私と私の両親ごと車をペシャンコにしただけだ。
　そこに魔術的な介入は一切存在しない。
　何回も現場に赴き、相手の運転手をとことんまでに調べあげ、調査をしまくった末の結果だ。間違いはないだろう。
　分かったのは、最期のその瞬間まで両親は自分を守ろうとしてくれたこと。
　ペシャンコになった車からは、人間が行使できるそれを遥かに凌駕した魔力の痕跡が伺えた。
　必死に、それこそ自身の限界を越える程の力でもって、守ろうとしてくれたのだ。
　自分ではない誰かのため―――他でもない私のため―――に、己が生命を犠牲にしてまで、両親は魔術を使ったのだ。
　私を、救う為に。

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