2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/03(火) 03:15:52.65 ID:H/k4aS6B0
ーー智絵里宅、自室ーー
智絵里「変わったこと、か。」
アイドルを始める前のわたしは臆病で、自分に自信がなくて、卑屈な女の子だった。
プロデューサーさんがわたしを見つけてくれなかったら、いまも変われないままだったかもしれない。
ーーーーーコンコン。
智絵里「はーい」
ガチャ
智絵里父「智絵里」
智絵里「おとうさん、どうしたの」
智絵里父「明日からお父さんとお母さんは出張で一週間くらい家を空けてしまう。智絵里を一人数日この家に置いてくことはできないから、智絵里は明日からしばらくおばあちゃんの家にお世話になってくれ、連絡はしてある。」
智絵里「あ、うん、わかった。」
おばあちゃんの家はここから30分くらいのところにある。通学や出勤にはそこまで影響しない。
智絵里父「じゃ、お父さんたちはもう寝るから、智絵里も早く寝るんだぞ」
智絵里「あ、おとうさん」
智絵里父「?」
智絵里「おとうさんは、わたしがアイドルを始めて、わたしが変わったと思う?」
おとうさんは少し驚いた顔をした。普段日常的な会話もほとんど交わさない娘が、いきなり真面目な質問を投げかけたからだろうか。
智絵里父「……智絵里は、変わったよ。」
智絵里「…そうなんだ。」
わたしは少し安心した表情をした。わたしが、あの頃の弱虫なまま変わってないといわれなくて。少なくとも親が言うなら、しんじられると思ったから。
智絵里父「…智絵里は、変われてうれしいのか?」
智絵里「うん、弱虫だったわたしが、少しでも変われたのはうれしいなって。」
智絵里父「…」
おとうさんは少し困った顔をする。わたしはそれが少し不思議だった。何か気に障ることでも言っちゃったのかな。
智絵里父「…そうか、それはよかった。智絵里がやりたいことをやってるのはお父さんもお母さんもうれしいよ、おやすみ。」
智絵里「…うん、おやすみ。」
そうしてわたしも眠りについた。
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