6: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2017/01/03(火) 17:15:01.94 ID:b9hcov4q0
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昼前の街をてくてく歩く。
最初は俺が歩くたびに「おっとっと」だとか「わ」だとか声をあげていたちぶりんも慣れたようで、胸ポケットで大人しくしているようだ。
「変な質問だけど、乗り物酔いみたいなのは大丈夫?」
「うん、大丈夫。最初は揺れてびっくりしたけど」
「それならよかった」
しばらくして、ちぶりんが時折ポケットの中でぴょんと跳ね、なんとか頭を出して外の景色を覗いていることに気が付いた。
「外、見たいのか?」
「一緒に歩けないから、せめて景色だけでも、と思って」
「寒いの我慢できるならいいけど」
そう言って人差し指を胸ポッケに突っ込むと、ちぶりんはそれを掴む。
ゆっくりゆっくり引き上げて、手のひらに乗せてやった。
「すごいね。小さくなったみたい」
「みたいじゃなくて、小さくなってるよ」
「そういえばそうだった」
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