13: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:32:06.29 ID:ZVvkRN9Y0
アーニャ「美波はアーニャとプロデューサーどっちの味方ですか?ラブライカとして共に歩んだ蓄積は嘘でしたか?」
美波「……」
私は俯く。答えに窮したのではない。答えは決まっているが、答えてはいけないと思ったからだ。
14: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:32:44.24 ID:ZVvkRN9Y0
アーニャ「!……もういいです美波。……ごめんなさい」
美波「え、どうしてアーニャちゃんが謝るの?」
アーニャ「一番つらいのは美波なのに、アーニャ、美波を責めるようなことを言ってしまいました。」
15: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:33:12.54 ID:ZVvkRN9Y0
アーニャ「アーニャ、少し頭を冷やしてきますね」
アーニャちゃんが入り口に向かって駆け出す。その横顔は涙で濡れていた。
どちらが大事かなんて答えは最初から決まっている。
16: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:44:06.08 ID:ZVvkRN9Y0
3
346カフェには柱とパーテーションに囲まれたテーブル席がある。
他方からの攻撃に備える要塞のように、他の客や店員の視線が遮られているこの席は、店の中に存在する特異な空間のように思えた。
17: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:45:13.00 ID:ZVvkRN9Y0
3
346カフェには柱とパーテーションに囲まれたテーブル席がある。
他方からの攻撃に備える要塞のように、他の客や店員の視線が遮られているこの席は、店の中に存在する特異な空間のように思えた。
18: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:45:50.32 ID:ZVvkRN9Y0
私もテスト前にはこの席を利用する。
いつの事だったか私はこの席で冷戦期の世界史を勉強していた。
ぼんやりと世界地図を眺めていたその視線は、とある国で釘付けになった。
19: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:46:42.38 ID:ZVvkRN9Y0
とある日。ソロでの仕事が終わり、私は346カフェに立ち寄った。
菜々「凛ちゃん、いらっしゃいませ!お仕事お疲れ様です!」
凛「菜々さんもお疲れ様。」
20: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:47:19.00 ID:ZVvkRN9Y0
凛「さすが菜々さん。よくわかったね」
菜々「印象に残ってますからね〜。菜々は当時ベルリンの壁が崩壊する映像を見て、一つの時代の終わりを感じた物です……って菜々は永遠の17歳ですから、当時の事なんて伝聞でしか知りませんけど!」
凛「う、うん。そうだよね……」
21: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:47:53.38 ID:ZVvkRN9Y0
菜々「実はですね、当時の報道官の誤解が原因なんですよ」
凛「誤解?」
菜々「はい。東ドイツの報道官ギュンター・シャボウスキーが原稿にあった東ドイツ市民の西側諸国への旅行の“規制緩和”を“今から完全に自由化された”と誤解して報道してしまったんです」
22: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/03(火) 20:48:23.90 ID:ZVvkRN9Y0
菜々「その夜のうちに数万人の東ベルリン市民が西ベルリンへ出国しました。そしてさらに、浮かれた東西ベルリンの市民はハンマーを持ち寄り、彼らの手によって分断の象徴であるベルリンの壁が壊されることとなりました。これがベルリンの壁崩壊の顛末なんですよ」
凛「すごいね……」
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