3: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:22:59.09 ID:A2L4SOsro
 凛「私は、まだ納得したわけじゃないから」 
  
 まゆ「凛ちゃん……その話は……」 
  
 凛「まゆだって……割り切れたわけじゃないでしょ!なのに、こんな……」 
4: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:23:26.35 ID:A2L4SOsro
 ―――チャペル廊下 
  
 まゆ「凛ちゃんの気持ちもわかりますけど……今は言っちゃいけませんよぉ」 
  
 凛「でも、まゆは許せるの……?プロデューサーの奥さんのこと……」 
5: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:23:56.06 ID:A2L4SOsro
 凛「それにしても気持ちの整理……私はそれをつける日が今日だと思ってたんだけど……」 
  
 まゆ「凛ちゃん……」 
  
 凛「覚えてる?まゆが初めて事務所に来た日。プロデューサーに一目ぼれしてついてきたって……」 
6: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:24:26.02 ID:A2L4SOsro
 凛「プロデューサーが結婚するって言った日の夜、ふたりで散々泣いたよね」 
  
 凛「お互いに絶対に負けられないと思っていた勝負。それが引き分け……いや、ふたりとも土俵にさえ上がれていなかったってはっきり気づかされちゃったんだから」 
  
 凛「……不思議だね。あんなことがあって初めてまゆのことをライバルでも恋敵でもない、本当の友達だと思えた」 
7: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:25:08.03 ID:A2L4SOsro
 凛「わからない?私たちは気持ちの整理をつけるための区切りの場面を前にして、新しく気持ちの整理をつけなければいけない場面に出会ってしまったんだよ」 
  
 まゆ「そうなんですけれど、そうやって小気味よくまとめるのもやめてください」 
  
 凛「これが不謹慎だけど、例えば式から時間が経って、プロデューサー夫婦がうまくいかなくて……とかならわかるよ。ひょっとしたら『チャンスがきた』って思ってしまうかもしれない」 
8: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:25:34.80 ID:A2L4SOsro
 「ふたりとも、何を騒いでるんですか……Pさんの控室の前で」 
  
 まゆ「あっ、ありすちゃん……」 
  
 凛「どうしたの?プロデューサーに何か用事?」 
9: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:26:09.67 ID:A2L4SOsro
 ありす「……初めてだったんです。こんな、不愛想な私のことをしっかり見てくれる大人に出会ったのは」 
  
 まゆ「ありすちゃん……」 
  
 ありす「スカウトの時に散々冷たい言葉をかけても、デビューまでにそっけない態度を取り続けても、あの人は私を見守り続けてくれました」 
10: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:27:02.56 ID:A2L4SOsro
 ありす「いつだったか……私がウェディングドレスを着るお仕事をしたとき、聞いたんです。『待てますか?』って」 
  
 ありす「Pさん……なんて答えたと思いますか?……いえ、今となってはどうでもいいことです。あの人は待ってくれなかったんですから」 
  
 凛「……そんなことがあったんだ」 
11: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:28:05.99 ID:A2L4SOsro
 ありす「わかりませんか?私たちは小説やドラマの登場人物のように気持ちを整理しようとしたら、その上をいく小説やドラマみたいな展開を見せられたんですよ」 
  
 まゆ「そうなんですけれど、そうやって小気味よくまとめるのもやめてください。流行ってるんですかぁ……?」 
  
 凛「腕を上げたね、ありす……」 
12: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:28:31.67 ID:A2L4SOsro
 ありす「……おふたりと話してちょっとだけ気分が晴れました。失礼します」スタスタ 
  
 まゆ「行っちゃいましたね……」 
  
 凛「ありすもまさか私たちと同じ気持ちになっているとはね……」 
13: ◆fwR/vDgRag[sage saga]
2017/01/07(土) 01:29:06.11 ID:A2L4SOsro
 「ああ、まゆちゃんに凛ちゃん……もう大丈夫?あんなことがあって……」 
  
 まゆ「……美優さんこそ、顔色が悪いですよぉ……大丈夫ですか?」 
  
 凛「……プロダクション職員だった新婦さんと仲が良くて、新婦友人代表挨拶の打ち合わせをしようとしたときにに置手紙を見つけたのは美優さんなんですよね……」 
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