過去ログ - 終わらない物語が嫌いな僕と余命が短い女の子の話
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105: ◆eZMycVsOYY[saga ]
2017/01/09(月) 19:08:20.52 ID:yOhGu/Zb0
彼女の葬式が終わったあと、僕は喪服のまま本屋へ入った。彼女と街へ出かけたときのことを思い出した。

「私、続きものの本が好きなんです」

「なんでわざわざ続き物なの?」

「続きを待つ間、想像するのが楽しいんですよ。このあとどんな展開になるのかなとか、もしあのキャラクターになったらどうしよう、とか。」

「僕は終わらない物語は嫌いなんだよなぁ。待つのが焦れったい」

「それもまた楽しみの1つです」と彼女は笑った。

 終わらない物語が嫌いと言ったのは彼女が初めてだった。

 僕は目的の本を見つけ、手早く会計を済ませた。

 それから家からすこし距離のあるカフェへ入り、彼女が病室で好んで読んでいた本を取り出した。
 まったく、この主人公はいつまで修行してるんだ。そんなことを思いながら、コーヒーを啜った。



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