過去ログ - ピエロのピエトロ・ピルエット・エルル
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32: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:36:56.76 ID:pdC/HIHz0
「ピエトロがピエロなんだったら、こんなヘンテコリンな服なんか着なくっても、ピエロのまんまのはずよ」

「……そうか。そうだよな」

「それに、きっとピエトロなら、ヘンテコリンな服を着たまんまでも、わたしとダンスを踊れるわ」
以下略



33: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:38:02.38 ID:pdC/HIHz0





以下略



34: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:39:16.64 ID:pdC/HIHz0
世界が、冬の朝の日のように。

恐ろしいくらい、冷えわたる。


35: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:39:51.34 ID:pdC/HIHz0
「……そう。これは、ぼくの夢」

「そして、わたしの夢でもあるわ」

「……君の?」
以下略



36: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:41:02.54 ID:pdC/HIHz0
ぼくは、少女の手をとった。
小さくて、暖かい、手の平だった。

「左手はそえるだけよ、ピエトロ。腰の辺りで……そうそう、上手」

以下略



37: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:42:28.50 ID:pdC/HIHz0
少女に手を引かれて、不格好なダンスが始まる。

いつの間にか、観客の天使達は、手に手に楽器を持っていて。
ぼく達の踊りに合わせて、美しいメロディを奏でる。

以下略



38: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:43:07.73 ID:pdC/HIHz0
「最後は、またねって言うのよ。くるりと回って、また会いましょう」

そう言って、エルルはくるりとぼくの手を離れ。

「またね」
以下略



39: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:44:09.88 ID:pdC/HIHz0
彼女の背中には、大きな白い翼があって……。

どんどん、どんどん、ぐんぐんと。

天井のない劇場の、青い空へと吸い込まれていく。
以下略



40: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:45:09.03 ID:pdC/HIHz0
「エルル」

と、やっとの思いで叫んだ時。

ぼくは目を覚ましていた。
以下略



41: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2017/01/07(土) 22:45:43.59 ID:pdC/HIHz0
夢から帰ってきたぼくを待つのは、小さなアパートの一室に。
無造作に置かれた、汚れたボール。

ジャグリングのピン、壊れた輪っかがいくつかと。
だぼついた道化服、化粧道具。
以下略



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