過去ログ - 穂乃果「とあるマンションの一室で」
↓ 1- 覧 板 20
205: ◆ddl1yAxPyU[saga]
2017/03/11(土) 22:53:44.56 ID:kGbjMq9G0
〜〜〜〜〜〜
千歌「っ! あった、ありましたよ!!」
にこ「これでやっと最低限の装備は整ったわけね」
真姫「…初めからこれがあれば、穂乃果達が無理をする必要は無かったのよね」ギリッ
千歌「そう…ですね……」ウツムキ
にこ「今更そんな事を言ってどうなるの? 私達が今話すべき事は、これからどうやってあの化け物を倒すかでしょう」
千歌「確実に仕留めるなら、やっぱり死角から狙撃って感じになるんですかね?」
真姫「Zガンの射程はそれ程長くないわ。近くの建物の陰に隠れて撃つしか無いんだけど…外せば奴はZガンを破壊しに来るハズ。失敗は許されない」
にこ「なら、私達の中からも最低一人はあの化け物の気を逸らす為の囮役が必要って事ね」
真姫「…まあ、必然的にそうなるわね」
千歌「……っ」ゴクッ
重い沈黙が続く
無理もない、ここで囮役を引き受けるというのとは即ち死を意味する
誰だって死にたくは無い
寧ろ、仲間の為に自らの命を懸ける事の出来る人間が特殊なのである。
ただ、ここにはそんな“特殊な”人間が多く集まったチームであった
千歌は大きく息を吐き、この沈黙を打ち破った
千歌「…囮役に最適なのは、あの星人と渡り合えるだけの力を持っている人。この中で一番強い人って事ですよね?」
真姫「まあ、弱かったら囮にもならないからね。でも、ここでいう“強さ”の定義は何? 射撃なのか、剣術なのか、格闘術なのか…それによっては適任者が違ってくるわ」
千歌「勿論全てで優れている人です。なお且つ、ここで死んでも誰も悲しまない、命の価値が一番低い人が適任だと思います」
にこ「へえー…よく分かっているじゃない」
覚悟は出来ていた
今まで海未に鍛えられた自分なら勝つことは無理でも、倒すための隙を作る生み出す力は付いている
ガンツによって作られた偽物(クローン)である自分ならば、例え死んだとしても内浦に本物(オリジナル)が生きていれば問題無い
寧ろここで死ねば、高坂家にこれ以上負担をかける事も無くなる
存在しないハズの人間が消える事は正しい選択なのだ
千歌(矢澤さんや真姫さんには待っている家族がいるんだ。私が役割を全うすることでこのミッションが終わるのならば、それが最善の選択だよね……)
千歌「……なので、囮役に相応しいのは…わt――――」
にこ「私が一番適任ね。うん、私以外考えられないわ」
千歌「は? いや、何で…どう考えたって私の方が適任でしょう!? 海未さんに鍛えられた私なら矢澤さんより絶対あの星人と戦えます!!」
にこ「はああぁ? 海未に鍛えられたって言っても、たかが数か月間でしょう? こっちは四年も戦っているの。あんたとは年季が違うのよ、年季が!!」
千歌「だ、だとしても命の価値についてはどうなんですか!? 偽物の私は他の人より遥かに劣っているでしょう!!?」
にこ「ナンセンスね。ガキんちょが偉そうに価値なんて語ってるんじゃないわよ」
にこ「囮役に適役なのは、強くて、価値のない人間だっけ? あんたは何一つ当てはまって無いじゃない。年下は黙って先輩のいう事を聞けばいいの!」
千歌「ど、どうして……死ぬんですよ? それなのに何で自分から名乗り上げるんですか!? 私がやるって言っているのに…そもそも矢澤さんは私の事嫌いなハズなのに…」
にこ「……ええ、嫌いよ。でもそれは“あんたの事”じゃ無いわ」
千歌「え?」
にこ「そんな事はどうでもいいの。単純に中学生の、年下のあんたに守られるのが気に食わなかっただけよ。分かったならさっさと行きなさい」シッシッ
真姫「Zガンの射程内に隠れる場所が無いわ。少し離れた所に身を隠して、チャンスが来たら射程内まで急接近して撃つ」
にこ「それでいい。チャンスだと思ったら仮に射程内に私がいたとしても、構わず撃ちなさい。躊躇なんてしたら呪い殺すから覚悟することね」
千歌「……」
にこ「さあ、行きなさい。いつ奴が戻ってくるか分からないんだから。…信じているわよ、二人とも」ニコッ
243Res/253.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。