過去ログ - 穂乃果「とあるマンションの一室で」
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208: ◆ddl1yAxPyU[saga]
2017/03/11(土) 23:16:38.83 ID:kGbjMq9G0
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初めてあの子と会ったのは三年前のミッション中だ
関わった時間は短かったけど、仲間の為なら自ら進んで危険な事に立ち向かっていく
勇気と力がある子だという事は分かった
私は、素直に凄いと思った
私にとって仲間はμ’sのメンバーだけ、守る対象は必然的にこの8人だけ
それなのにあの子は初めて会った私達の為にも命がけで戦っていたのだ
私にはそれだけの力は無い
私の実力で守れるのは精々、その時近くで一緒に戦っているメンバーくらいだという事は理解している
そんな中、μ’sのメンバーでは無いあの子が同じ部屋に転送されてきた
あの子の実力は知っている
あの子の力があれば生き残る確率がうんと上がる事は分かっていた
でも、私はあの子を拒絶した
“偽物”だとか“必要ない”だとか散々酷い言葉をあの子に言ってしまった
言葉を発する度に、心がズキズキと痛む感覚があった
どうしてそこまで拒絶したのか正直自分でもよく分かっていなかった
でも、今やっと分かった
“あの子はμ’sのメンバーでも無ければ、ガンツによって生み出されたクローン。仮に見捨てても誰にも迷惑が掛からない”
例えμ’sのメンバーで無いとしても、同じ部屋の人間が危機に陥った時に見捨てるという考えが浮かんでしまう自分に吐き気がする
今までメンバーが増える事は無かったのにどうして今更増えたのか、あの子さえ来なければこんな気持ちにはならなかったのに…
無意識にそんな風に考えてしまう自分が嫌だったのだ
だから突き放すような言葉をいい、自分の近くに寄せないようにしていたのだ
あの子が囮役をやると言い出す事は最初から分かっていた
だって私の知っている“高海 千歌”という人間はそういう人間だから
まだ中学生なのになんて強い心を持った子なのだろう
私はそんな子を見捨てる程薄情な人間なの? いいや、違うでしょう?
この先を考えれば、私よりあの子が生き残った方が全員を再生できる確率は高い
――だからこの役目は私が引き受けるわ
そして、もう一度チャンスがあるのなら今までの事をきちんと謝りたい
あの子に、千歌に非は全くないのだから
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