過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―5―
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957: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/02/15(木) 18:46:14.50 ID:YSodv2Da0
「そ、そのどういった要件だったんですか?」
「フォレオ様から着物の件で話があって、本当ならこちらが暗夜王国に着物を届ける予定だったんだけど、直接見に来るっていう話になってね。ちょうど、イズモ公国の祭事で用事があったから、ここで商品を確認してもらうことにしたのよ。昨日は夜遅くまで時間が掛かってね、ここに泊まってもらったわ」
「そ、そうだったんですか……」

 こういったものを妥協しないフォレオの事だから、長い時間を掛けてしまったんだろう。そしてあの書簡の正体が分かり、ホッと一息吐いた。エポニーヌとオフェリアはあの書簡の相手とその内容を気にしていたけど、これですべての謎が解けたと言ってもいい。
 安心すると、今度は違う事が気になった。ここに着物の件でフォレオが来たということは、無論それを買っていったということだろうから、その内容が気になったのだ。

「ちなみにフォレオは何着買っていったんですか?」
「たしか、四着ね」
「四着!?」

 新しい情報が追加されて、あたしの中のフォレオが四人に分裂した。しかし、何色かわからないから展示されている着物をそれぞれ着せ替えていくことにする。
最初は桜をあしらった薄ピンク、次に情熱的な赤、百合の花が刺繍された白、他にもまだまだ色々とあるけど、それだけでも口元が緩みまくってしまう。こんな素晴らしい世界が望めるなんて……

「着物って素晴らしいですね、オボロさん!」
「そんな腑抜けた顔で言われても、返しに困るわね。だけど、すごくいいものだと思うわ」

 そう言って、あたしの腰当たりがポンと押された。
 
「はい、終わったわ。中々、似合っているわよ」
「……わぁ」

 大きい姿見に映る自分の姿に感嘆する。自分の姿に見惚れるなんてと思うけど、今までこんな自分は見たことない。
 水色の着物はあたしの桃色の髪に合っていたし、装飾された赤い金魚が生えていて、とても良かった。

「ふふっ、その様子だと、気に入ってくれたみたいね」
「はい! こんなに可愛いなんて思ってなかった。えへへ、フォレオと一緒に着物でお祭りとか回ってみたいなぁ……」
「お祭りと言えば、イズモ公国の祭事だけど……。フォレオ様は最後にそこに寄ってから帰ると言っていたわ。着物も持って行ったから、もしかしたら参加するのかもしれないわね」
「参加ですか……」

 フォレオがお祭りに向かったと聞いて、この着物が欲しいという思いが過る。

「ちなみに……これっていくらなんですか?」

 それにオボロさんはにっこりと笑みを浮かべて親切丁寧に答えてくれた。
 あたしはもう何とも言えない気持ちになり、その日のうちにテンジン砦を後にした。
 そして、あたしはこの旅を終わりにするために、決戦の地へと赴くのだった。


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