過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―5―
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962: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/02/15(木) 19:05:49.49 ID:YSodv2Da0
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 お店のすぐ外にあるベンチに腰掛けながら、あたしはカチコチになっていた。
 隣に座るフォレオを見ることが出来ず、ただただ自身の手に視線を下ろし続けるしかない。
 さっき、フォレオがあたしのことを大切な人だと語っていた。そのことがどうも頭から離れないからだ。
 いつもならうれしぃなぁとなるのに、今日ばかりは勝手が違う。なにせ、脳裏には先ほどの凛々しいフォレオが焼き付いているのだ。どんなに乙女フォレオを思い浮かべても、すぐに霧散してしまう。
 どうにかして誤魔化さないと、そう思って顔を上げる。

「その、ソレイユ……」

 恥じらいを感じさせる音色が、あたしの耳に届いた。
 一マス隣にいるフォレオは顔を赤らめている。いつもの流れなら可愛いと即ハグするけれど、今はとてもそうできない。
 あたしの顔も真っ赤っ赤で、胸のドキドキがどうしても止まらない。踊りの練習を見られた時よりも、ドクドクしている。恥ずかしさじゃない気がした、よくわからないけど、これはそういう物なんだと、なぜか思ってしまう。
 いつも通りの空気に戻すことはもうできない。フォレオは指を付き合わせながら、あたしに視線を向けた。

「その、さっきのお店での僕の話……、聞こえてましたか?」

 よし、落ち着けあたし。今からでもいい、どうにか軌道を修正するの。
 ここでの答えは『ううん、聞こえなかった』だ。これ、これしかない。
 さぁ、いくわよ!
 
「うん、聞いてた……」

 ちょちょ、ちょっと待ってよ脳内回路。どうして肯定した!?
 ここは回避、回避の一点張り。すこしでも避けられる可能性に賭けて森とか柱、墓に逃げ込むところでしょ!?
 いや、もしかしたらこれはフォレオが『ソレイユ、聞こえてなかったですよね?』と聞き返してくるパターンを予期したに違いない。後手不敗がモットーの傭兵ならではの戦術を、脳が導き出したという事ね。
 つまり、フォレオの返答は……

「そうですよね、あんなに近くにいたんですから、聞こえてないわけないですよね……」
「……うん」



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