過去ログ - まゆ「破ってはいけない3つの約束事について」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 15:25:25.29 ID:SwhvTvNS0
おもわず足元を見下ろしてしまったとき、「やってしまった」と思いました。
黒いビニール袋は、その口を開いた状態で横たわっていたのです。
どうやら、縛り方がゆるかったのでしょう。その中身は無残な形であらわになっていました。
以下略
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:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 15:27:13.00 ID:SwhvTvNS0
悲鳴よりも先に頭によぎったのは、「どうすればこれをなかったことに出来るのか」ということでした。
まゆは、それがどんな理由でこんな場所にあって、
どうしてこんな状態になっているのか――なんてことよりも、これを見てしまったという事実を消してしまわねばなりませんでした。
以下略
15
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 15:28:58.51 ID:SwhvTvNS0
幸いにも、プロデューサーさんが帰宅するよりも前に、
袋を“元の状態”にもどすことに成功したまゆは、胸を撫で下ろしました。
何事もなかったように、ふたたび、鍋に火をかけ始めた頃、
以下略
16
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 15:53:30.29 ID:SwhvTvNS0
しばらくして、玄関口のドアノブを回す音が聞こえると、プロデューサーさんが家に帰ってきました。
「ただいま」と言ったその手には、やはり、黒いビニール袋が握りしめられていました。
以下略
17
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 15:57:47.39 ID:SwhvTvNS0
正直に言えば、まゆは、気が気ではなかったのです。
平静を装おうとすればするほど、体が固まって、
まるで人形になってしまったかのように思えてしまったのです。
以下略
18
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 15:59:15.20 ID:SwhvTvNS0
「あれ、ですか」と言葉に詰まりそうになりながら返答をすると、
「黒いビニール袋の中身のことだ」と怖い顔のプロデューサーさんがまゆを見据えていました。
「……いえ、見ていません」
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19
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 16:02:15.47 ID:SwhvTvNS0
それからというもの、まゆとプロデューサーさんとの距離は、すこしだけ、遠くなってしまいました。
以下略
20
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 16:09:13.79 ID:SwhvTvNS0
約束事を破ったことに対する、うしろめたさ、みたいなものを無意識のうちに感じていたのかもしれません。
でも、それだけではなかったのです。きっと、プロデューサーさんは気づいていたんです。
以下略
21
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 16:19:37.05 ID:SwhvTvNS0
「プロデューサーさん、あの……」
その日、まゆは、意を決してプロデューサーさんに真実を伝えました。
以下略
22
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 16:24:27.37 ID:SwhvTvNS0
すべてを懺悔し終えて、顔を上げると、
プロデューサーさんは「少し、話がある」と言って、
ずっしりと重たそうな黒いビニール袋を手にしました。
以下略
23
:
名無しNIPPER
[saga]
2017/01/08(日) 16:29:29.63 ID:SwhvTvNS0
机の上に部位が増えるたびに、まゆの目は見開かれていきました。
最後に“首”が置かれましたとき、まゆは、言葉を失ってしまいました。
以下略
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