過去ログ - 「壊したがり」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 15:40:46.32 ID:3OYwXlIW0
「……雑談ぐらいなら付き合おう」
「雑は嫌です、密でお願いします」

 雑ではなく密に、か。
 密といえば、親しい。
 私と目の前にいる後輩には、相応しくない言葉だろうに。

「そういわれてもだな、生憎、こちらは君が興味を示しそうな話題を提供するのは難しいと思うぞ」

 私が若干困った表情を浮かべたところで、江ノ島は止まらない。そこには、何故か確固足る意志があるように思えてならなかった。

「話題ならあたしから出しますよ。今なら、ええ、今日このときならうってつけのものがありますので」
「……梅雨入りについてか?大して盛り上がりそうもないが」
「いいえ、もっと身近で楽しい話題です」

 不意に嫌な予感がして、江ノ島から目を背ける。

「──たっくんについて話しましょう、恐々院先輩」

 一瞬、空気が凍り付いてしまうような錯覚に陥った。

「構わないが、おそらくは君が期待してる事実なんてありはしないぞ」
「さあどうでしょう。ところで先輩、知ってましたか。私、たっくんのことが好きなんです」

 ああ、知っていたさ。
 そんなことはとうの昔に、君がこの部に入部してくる前から知っている。

「……織野に対する想いを告げて、私にどうしろと?」

 正面で向かい合っている江ノ島の表情が僅かに歪む。そこには微かに怒りが混じっているように見えた。



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