過去ログ - 「壊したがり」
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 15:43:01.95 ID:3OYwXlIW0
「ここまで言ってもとぼけるなんて……先輩って、凄く真面目な優等生って感じなのに、意外と意地悪ですね」
「君たちが勝手に優等生だと期待して、祭り上げているだけだ。好き勝手期待しておいて、期待に答えなければ失望するなんて、はっきり言っていい迷惑だよ」
「でもしっかり期待に答えてるあたり、本当はまんざらでもなかったりするんじゃないですか」
「だとしても、それを自覚したいとは思わんね」
「…………」

 やはり駄目だ。
 私はこの江ノ島海里という女と、致命的に合わない。
 江ノ島は小さく息を吐き出す。より良い闘争を続ける為、小休止を入れる戦士のように。
 微笑みながらも、その姿は完全に戦う女の様相だ。
 私も女の端くれだから、それぐらいは嫌というほどわかる。

「先輩はたっくんについてどう思っているんですか」
「どう、とはなにを指すんだ。異性としてなのか、それとも部活の後輩としてなのか、今の質問では答えようがない」
「決まってるじゃないですか、異性としてです!」

 机から身を乗り出しそうな勢いで立ち上がる江ノ島を見ても、私は動揺しなかった。

「特別視はしていない。だが、彼が憎たらしくて可愛い大事な後輩であることに変わりはないがね」
「……好きではない、ってことですよね」
「好きかもしれないし、嫌いかもしれない。或いはそのどちらでもないかもしれんぞ。ただ、今のところは君が心配しているような感情を抱いてはいないから安心しろ」



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