15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 15:46:16.08 ID:3OYwXlIW0
私の発言を聞いて、江ノ島はふうと息を吐きながら全身の緊張を緩め、再びゆっくりと腰を下した。
「なら良かったです。恐々院先輩と争っても、正直、あたしじゃどうにもならないって思ってましたから」
「どうして?女性的魅力という点において、私では君に逆立ちしたって敵わないと思うが」
恥ずかしそうにはにかむと、江ノ島は言った。
「多分、恐々院先輩の魅力って普通の女の子とはベクトルが違うと思うんです。儚いっていうか、危ういの方が近いのかな……そういう触れたら色々壊れちゃいそうな刺々しさがあるから、たっくんも惹かれたんだろうなあって。だから本気出してほしくなくて──」
やはり江ノ島は勘違いをしている。
私は織野を壊したいだけなのだ。その為にわざわざ丹精込めて慎重に、時間をかけて作っているだけ。
異性としての興味なんて、持ち合わせているはずがない。
「無用な心配だな。君は君のやりたい通りにやるといい。私も私のやりたいようにやる」
「ですよね……変に遠慮する必要ありませんでした」
照れくさそうに肩口まで伸ばされた髪の毛先を指でいじると、江ノ島は言う。
まるで憑き物が落ちたかのような笑顔で。
「あたし、たっくんに告白します!」
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