過去ログ - 安部菜々「二兎物語」
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76: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:38:08.46 ID:vBgwTiTm0
会場から子供たちの声が飛んでくる。

宇佐美歌ってと聞こえた気がする。

お客さん、宇佐美はサッカー選手でしょと私は心の中で突っ込みをいれる。
以下略



77: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:38:57.16 ID:vBgwTiTm0

『うさみん歌ってー!!』

違う、宇佐美じゃない、“うさみん”だ。
今日何度も呼ばれた言葉。
以下略



78: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:40:51.22 ID:vBgwTiTm0
『ミンミンミン!ミンミンミン!ウーサミン! ミンミンミン!ミンミンミン!ウーサミン!』


うさみんコールが会場に響き渡る。
今日はトークショーじゃなかったのか。いや、そんなことはもはや関係ない。
以下略



79: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:41:53.09 ID:vBgwTiTm0
菜々ちゃんはいつもこのコールに答えてきた。

しかし今回は菜々ちゃんはここにいない。

いるのは菜々ちゃんに扮した島村卯月という別人だ。
以下略



80: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:44:04.17 ID:vBgwTiTm0
『ミンミンミン!ミンミンミン!ウーサミン! ミンミンミン!ミンミンミン!ウーサミン!』

このまま感想を言い終えて、トークショーを終了すれば確かに私が菜々ちゃんではなく、実は島村卯月であることはばれないだろう。

しかしそれは菜々ちゃんがファンの期待を裏切ることを意味する。
以下略



81: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:48:17.23 ID:vBgwTiTm0
文香『カートンはチャールズに代わって死刑になりました』

文香ちゃんが語る二都物語の結末を思い出す。

いや、駄目だ。そんなことを考えちゃいけない。
以下略



82: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:48:45.58 ID:vBgwTiTm0


文香『とにかく顔をあげて』




83: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:49:59.73 ID:vBgwTiTm0
プロデューサーさんが、そして文香ちゃんが言っていた言葉を思い出した。

そうだ、私は顔をあげなくちゃ!

私は俯きそうになる気持ちをぐっと押さえて前を見る。
以下略



84: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:50:33.50 ID:vBgwTiTm0


文香ちゃんだ。




85: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:51:30.42 ID:vBgwTiTm0
文香ちゃんは文字が書かれた大きな白い紙を私に見えるように掲げていた。

そこにはこう書かれている

『暗転後、下手にはけて歌を歌ってください』
以下略



86: ◆SU.cErYd62[saga]
2017/01/08(日) 21:52:00.32 ID:vBgwTiTm0
数秒後、ステージのライトが落ちる。

私は文香ちゃんの指示通りにステージ下手にはけ、そしてあの歌詞を口にする。



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