過去ログ - 仁奈「中に入れたらなんでも仁奈のものになる靴下でごぜーますか!」
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31:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/09(月) 04:32:39.45 ID:3q5L74ZG0
そのときとても不思議なことが起こった。市原仁奈のいる控え室の調度品、備品、問題の靴下すら含む部屋の物という物の一切が一斉に、しかしゆっくりと市原仁奈の体へと吸い寄せられ始めた。
双葉杏と諸星きらりはゆらりと立ち上がり、それら調度品と共に市原仁奈の元へと近づいて、ついには前から後ろから、固めるかのように市原仁奈を抱きしめたのである。
やがて部屋の外が騒がしくなったかと思うと、扉を開け放った日野茜が、彼女に着いてきた鷺沢文香が、通りかかった片桐早苗が、天井を突き破って専務が、床を蹴破って中野有香が、その他多くのプロダクションの仲間たちが部屋の入り口で倒れ、壁にもたれかかり、天井から溢れ、やがては起き上がり、のろのろと市原仁奈の元へ殺到した。
双葉杏や橘ありすらがそばにいるのを気にも留めず、皆が皆、市原仁奈だけを目指していた。
当の双葉杏や橘ありす、川島瑞樹、諸星きらりもまた、殺到してくる同僚たちが自分の体を踏みつけにするのも意に介さず、力の残る限り市原仁奈を抱きしめ続けた。
市原仁奈が最後に見た光景は光を失った無数の同僚たちの目と、その後ろからとんでもない勢いで迫ってきた部屋内の調度品たちだった。
やがて鈍い音とともに目が潰れ、しかし声も出ず、激烈な痛みと苦しみの中、息を吸えぬまま、全ての光を見、全ての音を聞いて市原仁奈の意識は終わった。
この時点ではまだ膨張の過程にあった宇宙は、市原仁奈をその中心として急激に収縮を始めた……


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