過去ログ - 市原仁奈「はじめてのおしょくじ」
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14: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:20:20.12 ID:1vmwn4+80
どうやらこの健気な少女は、俺の分の料理がくるのを待っててくれるつもりらしい。
とはいえ、仮にも今は営業中で客の前だ。
今俺が食べ始めるのは躊躇われるし、さっき親父に頼んだ夕食もこの子が帰ったあとのつもりだった。
だから先に食べていい、と少女には伝えたのだが。
「いっしょが、いいです……」
少女はそう言って、お行儀よく両手を膝の上に置いてしまった。
一人でご飯を食べることに慣れていないのだろう。
ますます初めてのおつかいみたいで、微笑ましい。
しかし困った。
本当に俺の料理がくるまで待つつもりらしい。
どうしたものか、と親父の方を窺うと、親父はすでに手を動かしていた。
「今すぐできるのはハンバーグ定食だ。少し待ちやがれ」
ちょうどよかった。目の前であんな顔見せられて、俺もハンバーグが食べたい気分だったところなんだ。
親父が大急ぎで作った夕食が並び、俺と少女が一緒に「いただきます」をしてから、ようやくうさぎ少女は待望のハンバーグにありつけたのだった。
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