過去ログ - 市原仁奈「はじめてのおしょくじ」
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17: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:24:44.54 ID:1vmwn4+80
それはさっき少女が取り出していたうさぎの財布だった。

どうやら財布をしまった際に、財布を開けた状態でしまっていたらしく、今落とした拍子に中身が少しこぼれてしまった。

さて、うさぎ財布にはいったい何が入っているのだろうか。
以下略



18: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:27:03.12 ID:1vmwn4+80
「俺の財布より入ってる!」とか「全然初めてのおつかいじゃない!」とか細かい点も気になるけど、それ以上に。

レシートがすべてコンビニのもので、しかもコンビニ弁当に関するものが多いことが、俺と親父の気をひいた。

定食屋を営む親父はどう思うか知らないが、コンビニ弁当も今は栄養についてけっこう考えられていて、一概に否定するものではないらしい。下手に料理下手な人が作るよりも安心、なんて話も聞く。
以下略



19: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:28:07.21 ID:1vmwn4+80
『いっしょが、いいです……』

さっきの言葉は、一人で食事をするのが不安だったからだと俺は思った。

でも、違ったんだ。
以下略



20: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:29:34.95 ID:1vmwn4+80
店の前で佇むうさぎの背中を思い出す。

小学生の女の子が、夜に初めて一人で定食屋に入るには、はたしてどれだけの勇気が求められるのだろう。

耐えきれない寂しさと未知への恐怖に板挟みになったうさぎ少女は、はたしてどれだけの時間を店の前で過ごしたのだろう。
以下略



21: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:57:41.72 ID:1vmwn4+80
「おい」

親父は一枚の紙を手渡してきた。

それはここ周辺の地図。
以下略



22:名無しNIPPER[sage]
2017/01/10(火) 23:58:35.74 ID:rKgrwYTt0
今日は終わりかな?乙。楽しみ。


23: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:59:36.16 ID:1vmwn4+80
うさぎ少女を背負いながら、地図の家を目指して歩き続ける。

「ふわあ……ここは……?」

「起きたか。今、お嬢ちゃんの家に向かってるところだ」
以下略



24: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/11(水) 00:09:55.63 ID:IawHk9qv0
うさぎ少女の、仁奈の家についた。

ついたが。

「……」
以下略



25: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/11(水) 00:11:04.06 ID:IawHk9qv0
少女はおずおずと尋ねる。

「また、来てもいい、ですか?」

「ああ。親父もリピーターは喜ぶだろうよ」
以下略



26: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/11(水) 00:13:06.56 ID:IawHk9qv0
「うーむ、それは」

「ごめんなさい……だめ、ですよね……」

「いや、大丈夫だ。また食べような」
以下略



27: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/11(水) 00:15:37.66 ID:IawHk9qv0
「おにーさん!おにーさん!起きてくだせー!」

ゆさゆさと、体を誰かに揺さぶられている。

ああ、これは仁奈だな。
以下略



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