過去ログ - 李衣菜「…ここどこ?」
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51: ◆GWARj2QOL2[saga]
2017/01/12(木) 21:28:50.59 ID:gex3pyg2O
「ム…!」

それは、拘束用の弾丸。

これでは、ビームを放つことが出来ない。

視界には、上空から剣を構え、迫ってくる実験体6号の姿。

「終わりだあああああああ!!!」

「…」

だが、そうしたのは間違いだった。

「…このようなものが…」

ガンガディンには、機動力が無い。

だがそれは、圧倒的物量で戦いを進める為だけではない。

強固な装甲。

そして、圧倒的なパワーを作る為であった。

「このようなものが、俺に効くか!!!」

「!?」

夏樹が斬り伏せんとしたその時。

拘束をいとも容易く解いたガンガディンの右腕が、夏樹の側頭部にクリーンヒット。

あまりにも予想外の出来事に防御が間に合わず、吹き飛ぶ。

何処かの家の外壁に爆発音を上げ、突っ込み、瓦礫の山に埋もれる。

「…」

その中から、彼女が出てくる様子はない。

「ガテゾーン様は気をつけろとおっしゃっていたが…やはりこの程度か…」

瓦礫の山から、彼女が出てくる様子は無い。

己が持つ渾身の力で殴り飛ばした。

常人ならば、首から上が消滅する程のパワー。

いくら底上げされ、アーマーを身につけたとしても、耐えられるものではない。

紙切れのように吹き飛んだ彼女に、ガンガディンは一切の興味を失った。

「…戦闘経験の無い女の子供。実験にもならん」

己の上官を責める気は無いが、実験体にする者があまりにも未熟過ぎると肩を竦める。

「たとえ生きていたとしても、戦える状態でもあるまい。そのまま死ぬがいい」

首の骨が折れたか、意識を失い、瓦礫の山の中で窒息死するか。

どちらにせよ、トドメをさすまでもないと判断したガンガディンは後ろを向き、ゆっくりと移動を開始した。

「RXなど、この俺一人で十分…ライドロンさえ無ければ奴は…」

因縁の相手の名を呟く。

上官であるガテゾーンからの言葉を思い出す。

「この実験で俺の方が使えれば、RXとの決着を…」

それは、焦り。

早く、因縁の相手を倒し、自身こそが最高傑作だと認めさせたいという、思い。

慢心。
焦り。

それこそ、彼の持つ弱点。

自身の本当の弱点を見なかった、それこそが、弱点。

「…?…ムッ!?」


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