82: ◆GWARj2QOL2[saga]
2017/01/15(日) 21:57:45.56 ID:O8COb7uRO
「!」
「!?」
突如、里奈の背後から飛んできた赤い弾丸。
それはメタヘビーの顔の中心を捉え、彼も思わぬ方向からの攻撃に堪らずたじろぐ。
「…な、何だ…!?」
「…」
後ろ。
瓦礫の山に、目をやる。
「…まさか…」
そこには、銃となった携帯を持つ、右手。
「…勝手に、終わらせないでよ…」
「…何…だと…?」
そして、瓦礫の中からゆっくりと出てくる。
「…だりなちゃん…」
「…里奈ちゃん。顔」
「え…?」
激怒を表す里奈の顔を、元に戻せと指摘する。
上半身が血塗れの自分が言えた事ではないが。
「…笑顔。そんな顔してたら笑顔出来なくなっちゃうよ」
「…った…」
「…?」
「…良がっだぁ…」
李衣菜の生存を確認出来た瞬間、ふにゃり、と崩れる里奈の表情。
笑顔ではないが、先程の顔よりはマシだろうと、ぽんと彼女の肩に手をやり、再びメタヘビーの前に立つ。
「…何故だ…何故俺のパンチをまともに食らって立ち上がれる…!」
「…さぁ…?…案外フェミニストなんじゃない?」
鼻から、口から、頭からポタポタと出ている、血液。
本当は意識を保つので精一杯ではあるが、冗談を言うことで余裕さを醸し出す。
そして焦るメタヘビーを尻目に、携帯のコードを押す。
『1・0・6』
『Burst Mode』
そして、銃モードとなった携帯を構え、撃つ。
「!?」
今度は足元。
続いて顔。
交互に、チャージしながら的確に撃ち続ける。
その戦法に足を取られ、転ぶ。
「き、貴様…!」
「…武器は禁止?」
「…ッ!」
「…悪いけど私、か弱い人間の女の子なん…でっ!」
そしてまた顔を撃つ。
今度は、何度も何度も。
殴られた恨みを、晴らすかのように。
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